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外泊する者たち②
【元サイド】
着替えも済ませたし、病院の玄関にお母さん迎えに来たらしいからそろそろ行こう
律君は治療で青木先生に拉致されたから部屋には悠太だけになった
悠太「元、ホントおめでとう!!」
元「退院じゃないよ笑」
悠太「俺的には退院みたいな気分だよ笑。辛い元の姿いっぱい見てきたからさ……」
目をウルウルさせて握手をしてくれた悠太につられて俺まで込み上げてきそうであまり目を合わせずに、笑って行ってきますと手を振った
悠太「気をつけてねー♪」
元「ありがとう♪」
悠太ホントいいやつだよなー。アイツと同じ部屋で良かった。
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このまま看護師さんに外泊届けをもらって早く家に帰りたいんだけど、佐々木先生に加藤先生に声かけろって言われてるから仕方ない…挨拶して行かなきゃ。
元「お邪魔します……」
ナースステーションの奥のPCスペース……いつもの場所に加藤先生がいた
元「ねぇ」
加藤「"ねぇ"じゃないの笑。
元ちゃんもう行くの?」
元「1分でも早く病院出たい」
加藤「テンション上がって転ばないでね笑」
元「転ばないよっ笑」
加藤「元ちゃん嬉しい?笑」
元「嬉しいに決まってるじゃん!
誰からもケツ触られなくて済むと思ったら安心して過ごせるからね」
加藤「…そうだね…辛いホルモン治療頑張ったもんね。」
なんだよ…加藤先生までしみじみ振り返るの反則だよ…やめてよ……泣いちゃうじゃん……
元「…………」
加藤「おいで元ちゃん」
両手を広げる加藤先生にここは素直に抱かれておくとしよう。
元「……っ…グスン……泣」
加藤「色々あったね…楽しんでおいで。
お母さんのご飯たくさん食べてくるんだよ?」
元「ぅん……泣」
………ん?
元「ちょっと!!」
どさくさに紛れて俺のケツ揉んでるしっ
加藤「この桃尻触れるのも少しの間お休みだな」
元「変態!」
加藤「ハハハ笑。
ほら、泣いてないで行っておいで笑」
元「ホント油断も隙もない……。
行ってきまーす…」
加藤「気をつけてね笑」
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佐々木「元行っちゃったね」
加藤「すぐ帰ってくるけどね」
佐々木「それでも寂しいんでしょ?笑」
加藤「なんで」
佐々木「朝診察までサボっちゃってー笑。元挨拶来た時泣きそうだったでしょ?」
加藤「…そりゃーねー…あんな幸せそうな笑顔みたら泣きたくもなるよ」
佐々木「そうだね」
加藤「でも、元ちゃんお尻痩せちゃったなー。俺的にはもう少し食欲戻したいんだよな」
佐々木「なんかあとワンステップ物足りないんだよねー」
加藤「弱々しいよね」
佐々木「うん」
加藤「まぁ、外気に触れたらまた少し変わるかな」
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