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外泊組帰院
【元サイド】
はぁ……病棟の匂い……見飽きた光景……
また戻ってきてしまった……
元「戻りました……」
看護師「元君お帰り
先生に連絡するからお部屋で休んでてね」
元「ぅん……」
律「元ー!」
あっ律君笑
律「帰って来るの早くない??」
元「うん、体調悪いの加藤先生にバレちゃって帰って来いって言われた」
律「マジで??大丈夫?」
元「うん」
目覚めの悪い朝で、単に病院に戻りたくないって気持ちが先行していただけだと思ってた。
でもなんか起き上がりたくなくて、ベッドからも出られずに、刻一刻と帰院の時間が迫っていっていた。
病院へ戻る道中を考えるとなんだか億劫で……もう少し休んでから病院へ戻ろうと思って病院に連絡したら、運悪く加藤先生が電話に出てしまった……
しかも……自分でも気づけなかった身体の異変を、たった数分の会話だけで見抜かれた……
戻って来いって言われた時はなんだよってイラッとしたけど……割と今体調悪いから予定の時間以上に外泊してたら途中で動けなくなってたかもしれないって思ってる……
はぁぁー
悔しいけど、病院のベッドの方が落ち着く……
加藤「お帰り、待ってたよ」
ベッドでゴロゴロ一息ついてたのに早くも加藤先生登場か。
元「約束通り戻って来たよ」
加藤「いい子だねって撫でてほしい?」
元「撫でなくていい……」
加藤「恥ずかしがらなくていいのに笑」
カーテンを閉め切り、ベッド脇の椅子に腰掛けながら触診の準備を進めていた。
触診からするのかな……テーブルに置いてる採血セットも気になるんだけど……採血何本採るつもりでいるんだろ…
加藤「不安気だね」
元「……別に……
触診からする?」
加藤「採血先にしたい?」
元「……どっち先でも…いや…」
加藤「じゃあ触診からしよ」
元「…………」
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