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第24話 男の沽券と王子
「ん……んん……」
ショウ様の愛らしい小さな唇を啄む。柔らかくて、驚くほどぷるんとしていて、私は夢中でそこに吸い付き、舐めた。ああ、ショウ様の唾液すら美味です。これも淫魔ゆえなのでしょうか。
「ショウ様……」
「ん、リュート……」
どちらともなく互いの手がユカタの中に入っていく。少し引っ張り上半身を露にすると、既にぷくっと膨れて主張している桜色の乳首が目に入った。
やはりショウ様は、肌がとても綺麗でいらっしゃいます。透けるような肌がその桜色をより際立たせていて、私はそっと、そこを指で撫でた。
「……っ、あ……っ」
すると一瞬にして目に見えるほど、ショウ様の首から鎖骨辺りまでが、赤く染まる。ひくん、と腰を引いたショウ様はキスどころではなくなったようで、唾液で濡れた唇から、甘い声を漏らす。その唇も私に吸われて少し赤くなっていて……ああどうしましょう、もっといじめたいですね。
「ショウ様……ああショウ様……、可愛らしい……」
「リュート、気持ち、い……っ、ああっ」
私はショウ様の腰をするりと撫で、丸みを帯びた尻の双丘を掴む。力を込めやすいようにショウ様の身体を引き寄せ、唇同様、ぷるんとした感触を堪能した。
「何なんですかショウ様、どこもかしこも最高の触り心地で……」
「そ、そりゃあ僕は、淫魔だから……っ」
太腿に当たるショウ様の熱が、私の理性を飛ばしそうだ。堪らずユカタの裾をめくり、尻を直接……って、
「ショウ様……貴方下着を穿いていないんですか?」
「……」
私の質問に、ショウ様はすがりついたまま、微動だにしない。なんなら私の胸で顔を隠している様子だ。
「ショウ様……貴方ってひとは……」
そう言って、腰で縛っていた帯を取る。ユカタというのは便利ですね。脱がせやすいですし、なんなら着たままでもできそうですから。
「期待してたんですか?」
「だって、……プロポーズするって決めてたから」
なるほど、だからずっと緊張していたんですね。私が断ったら、どうするおつもりだったのでしょう? そう尋ねると、ショウ様は胸に顔をうずめたまま、ボソボソと呟く。
「リュートは絶対自分からは言わないだろうし、誘って今度こそ断られたら、世話係も辞めてもらおうかと……」
ショウ様の耳が赤い。私はその耳に触れると、ショウ様はくすぐったそうに身を捩った。……まったく、可愛らしいですね、この王子は。
「断らなくて良かったです」
私はそう言うと、ショウ様の両膝を掬って抱き上げる。驚いたショウ様は慌てて私の首に腕を回した。ショウ様を布団に下ろさずに、別の場所へ行こうとすると、ショウ様はまた慌ててどこへ行くの? と問いかけてくる。
「そこのテラスに出てみようかと思いまして」
「だっ、だったらユカタ着るから!」
「誰も見ませんよ。いや、むしろこの可愛らしいショウ様を、みなに見せたいところですけどね」
リュート性格違くない!? とショウ様は暴れて喚くけれど、細くて軽いショウ様の抵抗など、私には無意味です。
「こんなに可愛らしいのに、誰も王子扱いしないなんて……魔界の魔族は本当に馬鹿だ」
「それは僕に魔力が無いように見えるから……」
「それでも、王子に暴行していい理由にはなりません。不敬です」
「……リュートって真面目だよねぇ」
私は割と本気で怒っているのに、ショウ様は何だか呆れた様子だ。ショウ様をテラスに下ろすと、そこには部屋のモデルになった国の、伝統的な庭が見える。管理のためなのか柵があり、入れないようになっていますが、造られた小さな自然を感じますね、悪くないです。
「ショウ様、何だかんだお話していますが、私はもう限界です。柵を持っててください」
「ん……」
こくりと頷いたショウ様は、柵に掴まり尻を突き出してくださる。小さくて、ぷりっと上がった尻を宥めるように撫で、私はその真ん中の谷をそっと撫でた。
「んん……っ」
「ショウ様、聞かれてしまいますよ?」
鼻に抜ける声を上げたショウ様の蕾を、ゆっくりと周りから中心へと撫でていく。自分の唾液をショウ様の尻に垂らし、それを塗りながら指を押し進めた。
「……っ!」
ショウ様の膝が震え始める。まだ指も先しか入っていないというのに、ショウ様はどれだけ期待されていたのでしょう? 指でこの反応なら、とか考えてしまいます。
「……辛くはありませんか?」
私はそう問うと、ショウ様は震えて消え入りそうな声で辛い、と仰る。
「入れて、お願い……っ」
入れて欲しくて辛い、とショウ様は泣き出してしまった。それと同時にショウ様の香りも強くなり、私はゾクゾクとして背中を逸らす。ふわぁっと頭が白くなりかけ、ハッとして頭を振った。
──危ない、イッてしまうところでした。挿入もせずに達してしまうなど、男の股間……いや、沽券に関わります。
「ですがショウ様、ここをキチンと解さないと……」
「僕が入れろって言ってるんだから、入れてよっ」
リュートのおちんちんが欲しいの、とぐずぐず泣くショウ様。うう、私も限界だと申し上げてるのに。せめてショウ様が苦しくないようにと思っていましたが……仕方がないですね。
「ああショウ様、泣かないでください。可愛すぎて入れる前に達してしまいそうです」
私はそっと指を抜く。名残惜しそうに指を食んでいた後ろの粘膜は、指を抜いたあとも物欲しそうにヒクヒクしていた。
「あ……」
ショウ様が期待したように声を上げ、私を振り返る。私はショウ様にひとつ口付けをすると、ユカタの前を開け、自分の下着を下ろし、ショウ様の後ろに切っ先をあてがった。
「入れますよ?」
「うん……」
温かいショウ様の体温が、私の怒張に触れるだけでため息が零れる。ついに、私はショウ様の中へと、腰を押し進めた。
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