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恋人

恋人を作った。 人間そっくりだが、人工生命体だ。 軍事協力として色々軍のために作ってやったのはこれを作り出すためだった。 これは自分のためだけの研究。 殺すためではない生命体。 創造主を愛して尽くすためにだけにいきるもの。 恋人は美しく出来上がっていた。 柔らかで吸い付くような完璧な肌に、味わいたくなるような淡い乳首が胸に咲く。 しなやかな長い手足に、美しい造詣の頭部や胴体。 絹の髪、宝石をはめ込んだような目に左右対称の完璧な顔。 そして、美しくいやらしいペニス。 美しい形の尻も淫らだ。 まだ入ってはいないが中の具合が最高なのはもうわかっているその穴は、性交しやすいように人間とは少し違うようになっている。 そう、男のカタチをしていても、抱かれるために生まれてきた身体なのだ。 透明な羊水に浮かぶ恋人をうっとりと見つめた。 まだその目は開いてはいても、自分を見つめていないがいずれこの宝石のような目は自分見つめる。 そう思ったらゾクゾクした。 早く触れて、抱きたい。 完璧でいやらしい恋人を その願いがやっと叶う。 ゆっくりと羊水を排出する。 恋人はむせて、肺から羊水を吐き出した。 水の無くなる水槽に横たわる。 濡れて光る大理石みたいな恋人を抱きあげた。 むせている。 苦しそうに涙を流すその目はとても美しかった。 「目がさめたかい?」 囁いた。 恋人が産まれて初めて見るものは自分になることに満足する。 まだ光しか見えないだろうが、数分でちゃんと見えるようになる。 コホコホと咳き込む恋人をベッドに横たえた。 濡れたままで。 夢見たそのままの完璧な身体。 もう触れられるのだ。 そう思ったならもう触らずにはいられなかった。 軍事目的の研究の結果、恋人は繊細な見かけとはちがって人間よりも遥かに強い身体を持つ。 用水から出して数分ですぐに活動出来るのはわかっていた。 出来上がった美しい顔を撫でた。 恋人は戸惑いはしたが、マスターの遺伝子を肌から認識してその手の感触にうっとりと目を閉じた。 長いまつ毛の影さえ美しい。 顔に張り付く髪も美しい。 喉を撫で、そのまま鎖骨をなぞり、そこの繊細な造形を指先でたのしみ、それから滑かな胸を撫でた。 ひん 小さな声が漏れた。 ピクリと身体が震えた。 マスターを認識し、マスターが触ればどうしようもなく感じることはもうわかっていた。 話すよりも愛を語らうよりも、名前を与えるりも先にその肉体を貪ることにした。 だってこれは自分のモノだ。 恋人には知識はある。 大学院なみの優秀な知識も常識も必要なものは全部注入してある。 でも何も知らない。 今日生まれたばかりで何も知らない。 この世界のことはデータとしてしか知らない。 何も知らない無垢なる存在。 でも自分を愛することは知ってる。 そう作ったから。 無垢な恋人をまずは犯したかった。 柔らかく胸をもんでやれば、手の中で乳首が硬くしこり、尖りはじめる。 ああっ ああっ 細い声が零れる。 身もだえし、薄く目があいた。 自分を見た。 その瞳のうつくしさに酔った。 自分をマスターと認識していた。 自分に向かって、美しく微笑んだ。 うれしそうに。 輝くように。 自分を愛するように作られているから。 タガが外れた。 犯すしかない、と思った。

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