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抜き合いしよっか✦side蓮✦3 ※

 ズボンを突っ張らせている秋さんのそこに手を滑らせる。 「…………っ」    上からこするように撫でると、抑えたようなくぐもった声を漏らした。  ファスナーを下ろして膨れたそこをひと撫でしてからパンツを下げると、秋さんの硬くなったものが跳ねるように飛び出した。  自分と同じもののはずなのに、色が白くてすごく綺麗で見惚れてしまう。ドキドキしすぎて心臓がやばい。  そっと撫でると、ピクンと反応するそれに股間がうずいた。  俺はそれをそっと包み込んで優しくゆっくり上下にしごく。ビクビクと反応させてぎゅっとしがみついてくる秋さんが可愛すぎて、もうそれだけで俺はイキそうになった。 「秋さん、声我慢しないで。ちゃんと聞きたい」 「……な、……女じゃねぇっつーの。…………ぁっ、……ばかばかっ、はぁっ、……ぁ……」  さっきよりも少しだけ強めにこすると、上ずったような高めの声が出た。ものすごく可愛い。もう本当にたまらなく好きだ。   「秋さん可愛い……もっと聞きたい」 「ばか……れん……。……ぁ……」  顔を赤くして気持ち良さそうに目をつむる。感じてくれてる表情も声も、なにもかもが愛おしい。   「……う、ぁっ、……れん……のも」  秋さんの手が俺のガチガチになったそれを握って、二人でお互いにしごき合った。  気持ち良すぎて頭が真っ白になる。 「秋さんの、硬い。先走りすごい」 「……れん……も……だろ」 「うん、俺も……もう限界。おかしくなりそう」  秋さんが指の腹で先走りを伸ばすように撫でたあと、先端を攻めてきた。 「あっ、それ……グリグリやめっ……」 「……やめる? めっちゃ……気持ちよさそうじゃん」    気持ち良さに勝手に腰が浮く。  悔しくなって、秋さんを真似て先端をグリグリ攻めた。 「ぁ……んっ、はぁ、……ばか……出ちゃうって」  強めに責めるたびに秋さんの手が止まる。また思い出したように動き出しては、ビクンと反応するとまた止まる。  そんな秋さんがめちゃくちゃ可愛くて笑みが漏れた。  愛おしさがあふれすぎてもうつらい。  キスがしたくてたまらなかった。  もう少し近づけばすぐにキスができる距離なのに。心の距離が遠い。  秋さんも俺のことが好きだったなら、全身で愛し合えるのに。  性器だけの行為が無性につらかった。    手の動きはそのままに、首筋に何度も吸い付いた。唯一許されてる愛撫をくり返す。秋さんがやったことまでは、許される範囲だと心の中で言い訳をしながら。  耳に向かって舌を這わせじゅっと吸い付くと、秋さんは熱い吐息と一緒に微かに身体を震わせた。  耳の輪郭を舌先でなぞり、耳の付け根の裏を舐め上げる。 「ここ気持ちいい?」 「……んぁっ、……耳元で喋ん……な、……んんっ……」 「秋さん、イキそう? もう、すごいビクビクしてる」 「蓮も……イク?」 「うん。もう俺、ずっと限界」 「……じゃあ、一緒……に……」 「うん。一緒にいこ」  秋さんの熱く硬いものを、少し強めにスピードも上げてしごいた。  二人の息がどんどん荒くなる。声を上げながら限界が見えてきたとき、 「ま、待って蓮っやめ、やだっ!」  突然秋さんが叫ぶように声を上げて手を止めた。   「あ、秋さん……?」    もう絶頂寸前だったから正直つらい。  寸止めされたものが二本、ビクビク痙攣していた。 「ど……したの、もしかして強すぎた?」 「……ち……がう」  秋さんは俺の肩に頭を乗せて、荒い呼吸をくり返す。  どうしたらいいのか分からなくて、背中を優しくさすった。   「秋さん……?」 「……だって…………終わっちゃうじゃん……もったいないじゃん……」 「……え?」 「…………やっぱまだ…………まだ終わりたくない」 「あ……秋さん……?」    まだ終わりたくないってどういう意味?  ただの抜き合いなのに。抜いたら終わり。それだけの行為なはずなのに。  秋さんのすること言うこと、全部俺の都合のいいように思える。  もっとずっとこうしていたいという俺の気持ちとは、絶対に違うのに。  秋さんが深く息をついて顔を上げた。  高潮した顔で俺を見つめると、優しい瞳で微笑んだ。   「だってまだ、楽しみたいじゃん?」    まだ楽しみたい。その理由が俺と同じなら良かったのに。  

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