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蓮を鳴かせたい(NOTリバ)✦side秋人✦終 ※
「……あっ、……ぁ、……ぁ」
「あ、秋さん……?」
頭がずっとぶっ飛んでる。絶頂感が終わらない。身体中の痙攣がやばい。なんかいつもと違う。
「……あ、おれ……イッて、……あ」
「え、でも秋さん出てないよ……?」
「は……? んなわけ……」
思わず下を確認した。本当だ出てない。
出してもいないのになんだこれ。
「あ……ぁ、やば……い、……はっ」
「秋さん……締めつけすご……い、……くっ」
もう……無理……。
ガクガクと震える身体を起こしていられず倒れ込もうとしたとき、蓮が起き上がって俺を支えた。
「ああぁっっ、ア……ッ」
蓮の起き上がる動きに刺激されて、また快感が走る。
本当になんだこれ。こんなの俺知らない。こんなヤバイの俺知らねぇよ……。
「秋さん、大丈夫……?」
「わかん……ねぇ、おれ……ど……しちゃったの……? あぁ、あ……」
「……あ、もしかして、これがドライっていうやつかな……?」
「……なんだ……それ……」
蓮がなんか説明してくれるけど、耳に入ってこない。
気持ちいい。やばい。すげぇイイ。良すぎて……怖い。
俺は荒い呼吸をくり返し、震える手で蓮にしがみついていた。
少しずつ、痙攣がおさまっていく。
「……あ、秋さん、少し……落ち着いた?」
「……ん、た……たぶん……?」
「ごめん秋さん、俺……も……我慢できない……動きたい」
「……あぁっ、あ、バカっ、うごくな……っ」
下から突き上げるようにしてくる蓮に、さらに強くしがみつく。今の一瞬でまた目の前に星が飛びかけた。うそだろ……。
蓮はしがみついてる俺の身体ごと、繋がったまま反転させた。
「れ、れん……待てっ、ほんと……今やべぇからっ」
「むり……もう、我慢できない」
はぁはぁと呼吸を荒くして、正気を失ったような蓮が……怖い。俺のとめる言葉も聞かず、腰を動かした。
「ああぁっ! あっ、おいっ、やめ……っ、あぁっ! やめねぇと殴るぞコラッ、……アッ、ぁんっ、あああぁぁっ!」
「ごめん、ごめん秋さん、……ぅ、きもちいぃっ」
「あ、ぁっ、おれずっとイッて……あっっ、なにこれ怖ぇってっ、ああぁぁっ!」
もうずっと続く絶頂感でわけが分からなくなっていた。
「んっ、あっ、あぁぁっっ、ンンーーーッッ」
やばいくらいに気持ちいい。でも怖い。でも気持ちいい。
「うっ、イクッ……イクッ、……ぅあっっ」
蓮が果てて倒れ込んできたあとも、しばらく痙攣がおさまらなかった。
「……あ、……ん……」
気がつけば腹の上が冷たい。いつ出したんだろう、それすら分からない。
蓮は俺の出したもので汚れるのも構わず、きつくきつく抱きしめてきた。
「……ごめん、ごめん秋さん……。俺、こんな……酷いこと……ごめんなさ……」
蓮の身体は震えていた。
どうして震えてるのかなんて、聞かなくても分かる。
正気に戻ったらしい。俺の優しい蓮が戻ってきた。
「……蓮……気持ちよかったか……?」
俺の問には答えず、さらに息が止まりそうなほど抱きしめる腕に力を入れた。
愚問だったな、と思い笑いが漏れる。
蓮が初めて自分を優先にした。俺の身体で、初めて蓮が正気をなくした。
やばい。嬉しくて笑いが止まらない。
「あ……秋さん……?」
顔を上げた蓮は、この世の終わりみたいな顔で泣いていて、愛しさが込み上げて胸がいっぱいになった。
「俺も、すっっっげぇ気持ちよかった。やばすぎ。さいこー」
ニッと笑ってワシャワシャと頭を撫でてやると、蓮はぼたぼたと涙を流して鼻をすする。
「も……きらわれたかと思った……」
「ははっ、なんでだよ」
「やめろって……殴るって言われたのに……俺とまれなくて……」
「なぁに言ってんの? 最中のやめろなんて、もっとって意味じゃん?」
「……そ……なの?」
「やばすぎて死ぬかと思ったけどな。でも、蓮がやめずにやってくれたから、最高に気持ちよかった」
首に腕をまわして引き寄せ、さんきゅ、と口づけをすると、蓮は声を出して泣いた。
「……よ……よがっだ……うう……あきざん……」
「ははっ、ほんと可愛いなお前。俺が蓮をきらいになるわけねぇじゃん。こんな愛してんのに」
「あきざん……っ」
ぎゅうっと抱きついてくる蓮の背中を優しく撫でた。
蓮を鳴かせるのは残念ながらほぼ失敗に終わった。でも思わぬ収穫で嬉しすぎる。
俺が大丈夫と言ってもいつも心配ばかりする蓮が、正気をなくすなんてよっぽどだ。
俺も、さっきのは要は尻でイッたってことだろう。
マジで最高だった。毎回はしんどいだろうが、たまになら最高だ。
「蓮。早くシャワー浴びて、オムライス食おうぜ」
「あ……オムライス……食べる」
「じゃあ、はい。コアラ抱きでよろしく」
「……っ、うん、喜んでっ」
今日のオムライスがトロトロ卵じゃないのは、蓮を鳴かせたかったからだと話したらどんな顔をするだろう。絶対に真っ赤になるだろうな、とちょっと楽しみになりながら俺は蓮に抱きついた。
end.
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