119 / 173
夢の中で✦side秋人✦前編 ※
「秋さん……る?」
「……ん……?」
いつものように蓮の腕枕で、幸せ気分でまどろんでいた。
明日は蓮が早朝ロケだ。もう日もまたいでしまったし今日はなし。そんな暗黙の了解で、俺は今にも眠りにつきそうだった。
「秋さん……い……?」
「……ん? な……に……?」
耳に伝わる蓮の鼓動が早い。
あ……俺の好きな音……。ぼんやりそう思った。
蓮……愛してる……おやすみ。
口に出したつもりだけど出たかどうか分からない。
俺はいよいよ睡魔に飲み込まれていった。
「……ん、…………アッ……」
気持ちいい……。やば……。なんで俺、今日はなしってときに限っていつもしたくなるんだろ。
夢にまで見るとか……やば……恥ず……。
ああ……乳首気持ちいい……。もっと……。ん……物足りない。反対も……。
「……あぁ……っ、……んっ」
「秋さん、どこが一番気持ちい?」
ん……全部……蓮がさわるとこ全部……。
「じゃあ一番好きなのってどこ?」
……そんなの……決まってんじゃん……。
「言ってよ。どこ?」
…………うしろ……。
「えっ! あ、う、うんそっか。一番は……そっか。はぁ……その答え反則……」
……ん……?
「な、なんでもないよ。じゃあ、あの……さわられて一番好きなのってどこ?」
……まえ……。……でも……耳も好き……乳首も……首も……やっぱ全部……。
「秋さん可愛い。じゃあ前にするね」
蓮がクスクス笑ってる。
「……んぁ……っ、……きもち……んっ、……はぁ……」
蓮のフェラ……すき……そこきもち……先のとこ……。
「んあぁ……っ」
あれ……夢なのに……すげぇ気持ちい……。
またクスクス笑ってる蓮の声。
「秋さん起きて? ね、後ろもさわっちゃうよ?」
だって……起きたら終わっちゃうじゃん……やだ。
まだ続き……見たい……。
「ああっ、……はっ、ア……ッ、……うっ……」
だめ……だって……後ろと一緒に舐めたら……だめだっ……て……。
夢なのに気持ちよすぎてもうイきそう。
……え、イきそう?
ハッとして目を開ける。
今にもとろけそうな下半身を見た。
蓮が俺のオレを咥えて、指で後ろをほぐしていた。
「はっ?!」
「あ、おひは?」
蓮が咥えたまましゃべる。
視覚からの刺激も加わって、急激に絶頂感が襲った。
「あぁあっっ! ちょ、れん?! はぁっ! やばっ! バカバカバカッッ! あ……あああぁっっ!!」
目覚め直後の射精で頭がぶっ飛んだ。
なんだこれなんだこれ。さっきまで夢だと思ってたから、まるで前戯もなくいきなり絶頂までワープさせられた感じ。
余韻にひたろうとしたが、蓮の指がそれを許してくれない。
「……んっ、……あっ、……おい、蓮っ、……あっ、はっ、ま……まてまて、ちょっストップ!」
「……やだ、ストップできない」
指を増やして広げながら、俺の弱いところを的確に刺激する。
「ああぁ……っ、はぁ……っ、こらーっ蓮? なんだよぉもー……んぁっ……」
「秋さんが俺のを撫でるから悪いんだよ?」
「は? 撫でてねぇ……ンンッ、……あぁっ」
「撫でたよっ。撫でながらおやすみって言ったっ。鬼っ」
「ええー……? あぁ……っ、ん……きもちい……っ」
俺そんなことしてねぇよな?
……いや、すげぇしたかったし、おやすみって言うころはもう夢の中だったしな……否定できない……。
諦めて身をゆだねると、蓮は素早くパジャマを脱がせて自分も脱いで、ぎゅっと俺を抱きしめた。
俺はこれが好きだ。するしないに関わらず、裸でくつっくだけでもう幸せだ。
蓮はチュッと唇にキスをして「ごめんね」と謝ってきた。
「寝込み襲って、ごめんね」
「……俺も、撫でてごめん……?」
目を見合わせて二人で笑った。
「……れん……俺、もうほしい。きて……?」
「ん、わかった」
「今日、後ろからがいい……」
そう言って俺はゴロンとうつ伏せた。
「え? 後ろきらいなのに?」
「だって眠くてろくに目ぇあかねぇし……ならちょうどいいじゃん……」
「えー? あははっ、理由がおもしろいっ。もー笑わせないで」
クスクス笑う蓮に後ろからふわっと包まれた。
あ……これいいかも。腰上げようと思ったけど上げるのやめよ……。
蓮がチュッと耳にキスを落として「入れるね?」とささやく。その声にゾクッとした瞬間に蓮が俺の中に入ってきた。
「はぁ……ッッ!」
やばい……すげぇ気持ちいい……。
全身が蓮に包まれたまま、中も蓮でいっぱいになった。
ゆっくり中を擦られる。いつもよりいいところに当たって、そのたびに目の前がチカチカした。
耳元に蓮の吐息がかかって「きもちい……」とこぼされると、もうたまらない。
「ああぁっ、はぁっ、ン……ッ、ぁあぁっ」
シーツに前も擦れてそっちもやばい。
なにこれ、すげぇいい……。
なんて油断していたら、耳の中に舌が入ってきた。
「んぁっっ、ンンンーーッッ!! あ、あっ、それだめっっ!! ああぁーーッッ!!」
俺はあっという間にイかされた。
「おま……耳……ダメだって……はぁ……」
「この体位、耳舐めやすいね」
ふふっと笑って吐息を吐く。俺の中の蓮がドクドク脈打っている。
蓮のはまだ元気なままなのに、俺を気遣って動かずじっとしているのが愛おしい。
ロード中
ともだちにシェアしよう!