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続きのお正月〜キスマ編✦side秋人✦5 ※

「……あ、……は……ぁ、ン……ッ」 「……っ、秋さん、……ぅ……」 「あっ、あぁっ!」  蓮のものが奥まで届くと、それだけで快感が脳天をつらぬいた。またきた。これヤバいやつだ。一瞬そう思ったが、まだそれほどではないらしい。  ホッとして、ゆっくりと腰を動かした。 「……んっ、あ……っ、きもち……ぃ、んん……っ」  今日は正気でいられてよかった。騎乗位はドライでイクことが多いから、そうなると頭がぶっ飛んで終わってしまう。  今日は一度出したのがよかったのかも。これは要検証だな。 「れん……きもちい? ん……っ、アッ」 「……きもちよすぎて、すぐイッちゃいそう……」 「ははっ、いいよ……ンッ、あぁ……っ、れん……っ」  腰を下ろすたびに奥に当たって最高に気持ちいい。俺もすぐにイッちゃいそうだ。  蓮が気持ちよさそうに顔をゆがめるのを見ながら腰を動かすのは、抱かれてるのは俺なのに抱いてる気分なれて嬉しい。たまには俺だって、ぶっ飛んでばっかりじゃなく蓮を攻めてイかせてやりたいんだ。    腰を動かしながら、蓮の鎖骨につけたキスマがチラチラと見え隠れするのが目に入る。  ちゃんと……見たいな。  そう思って、蓮のシャツのボタンに手をかけた。 「秋さん? やっぱり脱ぐ?」 「……ん。キスマ……見たい……。ンッ、はぁ……っ」  ボタンが全部外れてシャツを脱がせると、さっきつけたキスマがはっきり見えた。キスマを指で撫で、顔がゆるむ。俺の蓮だ……。 「ずるい」 「ん? あ……っ、はぁ……っ」 「俺も見たい」 「ん……っ、あと……で、鏡で――――」 「じゃなくて、俺がつけたやつ」 「あ、そ……っち? わ……っ」    突然バンザイをさせられて、さっとスウェットを脱がされた。 「ふはっ、もー……んっ、あ……っ」 「ちゃんとついてる。俺の秋さんだ……」 「ああっ、あ……っ」    蓮は、さっきの俺と同じようにキスマを指で撫で、嬉しそうに目を細める。   「ん……キスマ……嬉しいよな?」 「うん、すごい嬉しい。秋さんがつけたのも早く見たい。おそろいなんだよね」 「ん、おそろい。あーやべぇ……すっげぇ幸せ……。れん……俺のれん……っ。あぁ……っ、はぁっ、ンッ」  蓮と繋がりながら俺のつけたキスマが目に映る。それがこんなに幸せに感じるなんて思わなかった。  蓮もキスマを見ては俺を見て、またキスマを見てる。  蓮も同じ気持ちだと伝わってきて、なおさら嬉しい。   「俺の秋さん、愛してる……」 「ああぁっ、ああ……っ、んっ」 「俺の秋さん」 「んンッッ、はぁっ、なに……そればっか……」  思わずふはっと笑って、蓮の優しい笑顔にチュッとキスをした。  蓮もキスを返しながら、気持ちよさそうに顔をゆがめる。   「だって俺の秋さんって言うと、中がぎゅって締まるから可愛くて」 「あっあぁ……っ」 「ほらね? ……ぅ……でも気持ちよすぎ……」 「……それ、聞くと……あっ、……ゾクってすんの。  ……おれもすげぇきもちぃ……っ、んっ、あ……っ」  「俺の秋さん」も、目に映るキスマも、なにより蓮の優しい笑顔も瞳も、もう全部が幸せで本当に夢みたいだ。  愛してるよ、俺の蓮。  蓮と出会えた奇跡に、本当に心から感謝する。   「そ……だ。秋さん」 「……うん? あ……っ、ンンッ……」 「Love Foreverのソロの秋さん、ドキドキした。すごい嬉しかった。……でもみんなに見られて俺、嫉妬しちゃった」  いまその話をされるなんて思わなかった。しかも蓮が嫉妬って、やばっ。  思わぬ不意打ちを食らってゾクゾクして、俺は一気に絶頂を迎えた。   「あぁっ、ぁああぁ……ッッ!!」 「えっ! うッ!! ……くっ……ぁ……」  俺がイッたあとすぐ俺の中の蓮が痙攣し、じんわり熱くなる感じがした。身体中が蓮で満たされる。これが本当に幸せでたまらない。  脱力して蓮に身体を預けると、ぎゅっと抱きしめてくれる蓮の腕が優しくて、もっと幸せになった。   「外に出すつもりだったのに……。ごめん秋さん」 「なんで……おれ中に出されんの好き……すげぇ幸せ……」 「……うん。俺も幸せ」  お互いの素肌がぴったりとくっつく。  思わずおかしくて笑ってしまった。   「え、どうしたの?」 「だって、結局俺ら裸じゃん。服きてやるって言ったのに」  あれほんとだ、と二人でクスクス笑った。「あ、でも俺まだ下はいてる」と蓮が言うから、「いや、それ視界に入んねぇし」とますますおかしくて吹き出した。  今日はキスマが見たくなったから仕方ない。  それに俺はやっぱり、蓮に裸でぎゅっとされるのが好きだ。    結局俺の中を綺麗にするためにそのままシャワーに入り、鏡に映ったキスマを見ながら二人でニマニマした。   いつまでも鏡の前から動かない蓮を引っ張ってリビングに戻り、俺たちはやっとご馳走にありつけた。 「んじゃ、あらためて乾杯」 「うん、乾杯」  ビールの入ったグラスをカチンと合わせ、一気に喉に流し込む。 「はぁー。うまっ」 「あ。秋さん酔う前に話さなきゃ」 「ん? なに?」 「えっと……あとなんだっけ……」 「ん? あと?」  帰ってきたら話そうと思ってたことがいっぱいあんのかな。そっか、さっきの普段言えないこともそれだったのか。  正月だから? 連休の始まりだから?  なんにしても可愛いな、俺の蓮。 「そうだ、田端さんだ」  思い出したという風に、うんうんとうなずいて俺を見る。 「田端さん? 蓮の事務所の?」 「そうそう、その田端さん」 「唐突だな? 共演したことあるよ。確か先月結婚したよな?」  蓮は田端さんが五年間も奥さんを隠し通したこと、外では友人と大勢で会い、家の中でしかデートができなかったことを話してくれた。   「マジか……。え、俺らネズミーシーとか食事とか、めっちゃ行ってるよな……」 「うん。俺たちって男同士でさ。世間的には公にできない関係かもしれないけど、芸能人に限って言えば、すごく恵まれてるよね? もう一緒に住んじゃってるしね?」 「え、ほんとだ……すげぇほんとだ」    いままでずっと、男同士だからバレたら大変だからと気を張っていた。  さっき蓮が言ったように本当はデートで手をつなぎたいし、俺の彼氏カッコイイだろって自慢したかった。  でもほかの芸能人は、恋人とまともにデートもできないんだとあらためて知って、衝撃を受ける。 「え、もしかして俺らって芸能人カップルの中で一番幸せじゃね?」 「ふふ。うん、でしょ?」 「うわっ。なんか、俺の悩みなくなった! すげぇ! そっかぁ、俺らって恵まれてたんだなぁ」  なんだかすごく幸せで嬉しくなって、蓮にぎゅっと抱きついた。 「蓮、ありがとな。話してくれて」 「秋さんの悩みがなくなってよかった」 「あー……もーほんと……幸せだー……」 「うん俺も、本当に幸せ。愛してる、秋さん」 「ん……俺も愛してる、蓮」

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