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じゃない人たちの、一方その頃。 (1)
理人さんが、ご機嫌だ。
どうやら、数日前まで「うまくいかない……」と嘆いていた新人教育が、少しずつ実を結び始めたようだ。
楽しそうにフンフンと鼻で歌う姿はかわいいし、こんな時は、
「佐藤くん! 一緒にお風呂入るぞ!」
なーんておこぼれがあったりするから、当然俺のテンションもアゲアゲになる。
「新人君、ようやくやる気になってくれたんですか?」
「うん! 一対一で話したのが良かったみたいだ。佐藤くんのアドバイスのおかげだな、ありがとう」
理人さんの笑顔が、久しぶりに咲き乱れた。
身体の芯の方でぽかぽか温かくなる気持ちを噛みしめていると、理人さんはかかとを上げて背伸びする。
そして、チュッと俺の唇を素早く奪うと、ちょっとはにかんでから、一足先にバスルームの中へと入っていった。
ここ最近くるんと丸まっていた背中がシャキッと伸びているのを見て、俺はようやく安堵する。
と同時にムクムクと起き上がり始めた男の象徴を、そっと手で隠した。
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