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じゃない人たちの、一方その頃。 (2)
「うわッ!? なにすんだよいきなり!」
すでに泡にまみれていた胸元を後ろからさわさわすると、理人さんは飛び上がった。
逃げ出そうとする身体を腕の中に閉じ込め、泡をかき集めるように肌を撫でていく。
「ちょ、やめっ……」
「俺が洗います」
「は……?」
「毎日頑張ってるご褒美に」
「……」
「ね?」
鎖骨。
脇腹。
おへそ。
そけい部。
太ももの外側。
太ももの内側。
揃えた四本の指をゆっくりと動かしながら、汚れを落としていくーーなんていうのはもちろん口実で、俺は、思う存分理人さんを堪能する。
際どいところはわざと中心を避けつつ、でも際どいラインだけを狙い定めてツゥーっと撫でていくと、理人さんの身体が小刻みにふるえた。
こういう時の理人さんは、絶対に鏡を見ない。
ヒクヒクと震えるそれを見たくないというよりも、自分の感じてる顔を見るのが嫌なんだろう。
もったいないなあ。
こんなにかわいいのに。
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