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保健室〜自宅 ユイ1
俺と冬崎先輩は、今、保健室で隣り合わせのベッドで寝ている。
「・・・ユイくん、昨日処女喪失しちゃった?」
「うっ、はい、まぁ・・・」
「あの状況じゃそうなるよな~推しのジュンさんのライブ初めて見て、しかもカタルシス聞いたとか。」
「あの最後の曲ですよね?レンさんに曲の意味を聞いてすごく納得しました。」
「俺もね、あの曲聞いてキョウに抱かれる決心をしたんだよ。だからすげぇユイくんの気持ちが分かる。てか、元々カタルシスはジュンさんがノンケだったレンさんを口説く為に作った曲なんだって!」
「そうなんですか?!!はぁ~そりゃ俺もその気になるはずだわ・・・」
「だよね。まぁ、幸せそうで良かったよ。無理させられてない?
長にも言っておいたんだけど、初めてで受け入れる側は体からキツいから毎日は無理って。せめて週一ってね。
これ、俺もレンさんがジュンさんを通してキョウに言ってくれたからすごく助かったんだ。」
「ありがとうございます!すごく助かります!!」
「後ね、喧嘩したり、何らかの理由でオアズケにする場合、期間が長過ぎると解禁にした時反動で大変な目に遭うから程々にした方がいいよ。これもレンさんからの助言で助かってる事かな。」
「あ~何か分かる・・大変な目って・・・怖っ!」
「実際、一ヵ月禁止にしたレンさんは、解禁した時にヤリ殺されるかと思ったって・・・」
「ヤリ殺・・・ジ、ジュン様・・・」
「うん、あの親子、絶倫魔王だから。長もそっち系っぽいし気を付けて?」
「うっ、は、はい。」
「あ~流石に眠いや。
昨日、ジュンさんがレンさんの家に行ったから、俺はキョウの家に泊まったんだよ。
今日学校あるからヤダって言ったのに朝方まで離してくれなかったし。全くもう!
ふぁぁ~、ユイくん、俺昼まで寝るわ。お休み~」
「は、はい。お休みなさい。」
すぐに寝息を立て出した冬崎先輩。
えっと・・・朝方まで??!!何時間ヤッてたの???!!
シグも何回でも出来そうって言ってたよな?マジか?本当に全然足りてなかったの?俺体もつかなぁ・・・
てか、保健の先生に今の会話聞こえてないよね?入口横のデスクに居るから、ベッドとは距離あるし大丈夫だよね??
俺もだんだんと眠たくなって来た。
お休みなさい・・・
目を覚ますとシグの顔。
「おはようございます。もう昼休みですよ。お腹はすいてませんか?パンとジュースを買って来ましたがいかがです?」
「ん、食べる。」
起き上がって横を見ると、冬崎先輩が焼きそばパンを食べていた。
「俺の分も長が買って来てくれたんだよ。ありがとうな!長!」
「いえいえとんでもございません。」
俺も卵と海老カツのサンドイッチを食べ、オレンジジュースを飲んだ。メロンパンが残っていたので、それも食べる。
何気にスマホを見ると、カグヤからのメッセージが大量に届いていた。
「げっ!カグヤが今日の夜に話があるから絶対帰って来いって・・・」
「おや、今日は一緒にいられないんですね。残念です。」
「長、ちょうどいいって!今日もユイくんが家に居たら絶対襲いたくなるだろ?」
「うっ!それはまぁ・・・」
シグと冬崎先輩の会話を聞きながら、俺はカグヤにどう説明すれば一番上手く丸め込めるのか、必死で考えていた。
ーーーーーーーー
アスとユイの話に聞き耳を立てていた保健の先生の心の声。
「ぐはっ!処女喪失!!・・ヤリ殺される!!!あ、朝方まで離してくれない!!!絶倫魔王!!!はぁはぁ・・・
いや~キョウ様と冬崎くんだけでも最上級のフルコース並のご馳走なのに、隊長と夏海くんまで!!!最高かよっ!!
私、養護教諭になって良かった!!!
この学校に赴任出来て良かった!!!」
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