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番外編のおまけ2 ナオ×ヒロ ヒロ1

   おっさん×おっさんです。 需要あるか分かりませんが、MAGの復活ライブ後のこの二人が気になったので書いてみました。 大学生時代の話から始まります。 ーーーーーーーーーー  僕の名前は星野 弘巳(ほしの ひろみ)、歳は・・・もう四十歳になるのか。二十歳からMAGでベースを弾いている。  当時大学生だった僕は、幼馴染で同級生のアキ(日向 彰芳 ひなた あきよし)に誘われてMAGに入った。ジュンとナオ(望月 直樹 もちづき なおき)がギターとベースを探していたから・・・ 少しその頃を振り返ってみる。  僕と同い年の二人は、高校生の時からすでにrevelry(レヴェルリー)でライブをしていた。アキと一緒にそのバンドのライブを見に行った事があるけど、ジュンのとんでもなく整ったルックスとカリスマ性、ナオの高校生らしからぬ卓越したドラムのテクニックにびっくりしたんだよな。やってる音もすごく好みだったし。 僕とアキも高校の学祭で一緒にバンドを組んだ。けど、ある程度弾ける僕たちについて来れるボーカルとドラムがいなかった。仕方なく人気があった派手な女子をボーカルにして、かろうじてドラムを叩ける男子を入れて演ったけど、とても満足出来る出来ではなかったんだ。 その後、大学のサークルで軽音楽部も覗いてみたけど、上手い奴はいくらでもいるのに、音楽の趣味が合う奴はなかなかいなかった。アキとは昔から同じ音楽を聞いて来たからばっちり合うんだけどね。だから、頼まれていくつかのバンドでヘルプ的にベースをやったけど、長く続けたいと思うバンドはなかった。 そしてジュンとナオも、当時やっていたバンドのギターとベースに満足していなかったみたいで、最近バンドを解散し、新たなギターとベースを募集していた。それに応募してみないか?ってアキに誘われたんだよ。 で、初顔合わせでスタジオに入ってセッションしてみて・・・正直震えた。 ジュンの尋常じゃない色気と歌声も素晴らしかったけど、リズム隊としてはナオのドラムとの演りやすさに驚愕した。何と言うかものすごくしっくり来た。音楽性も似ていたしね。 そこでお互いに意気投合した僕たちが結成したのがMAGだ。 僕たちは初日から大いに盛り上がった。一人ずつ好きなバンドと曲を言っていったんだけど、四人とも好きな曲ばかりで四曲すぐに演奏出来た。そこでもうMAGの方向性が決まったようなもんだった。 パンクをベースに、あらゆる音楽を取り入れたオルタナティブロック。 そう、僕が音楽にのめり込んだ初期衝動を、そのままバンドとして具現化したのがMAGなんだよ。 MAGを始めてからは、毎日がすごく楽しかった。自分が好きな曲を手加減なく演れて、メンバーのおかげでさらに素晴らしい曲になるんだ。 最高じゃない?  あっという間に人気が出て、レヴェルリーでもレギュラーで月一ライブを演るようになり、CDも出す事になった。 超絶美形なジュンは恐ろしいくらいにモテる。しかも気に入った相手とは、女でも男でも一度は気軽に寝るので、いつも誰かしらが群がっていた。ジュンはそれでも許される程のカリスマ性を持った奴で、しかも気安く喋りやすい。そりゃモテないわけがない。 アキもかなりモテていたが、基本一途な人なんで一人の女の子と付き合うと他と遊んだりはしない主義。うん、僕の幼馴染は良い奴なんだ。 ナオは女の子を寄せ付けないオーラを出している。ナオのファンはいっぱいいるけど、誰もナオに話しかけられないみたい。何と言うか孤高の存在。 そして僕にもそれなりにファンがいたけど、女の子に興味がないのでいつもナオの横にいた。そうすると女の子は近寄って来ないから。 うん、それもあるけど、僕はナオが好きだったんだ。 他の男には全く興味がないので、ゲイかどうかは分からない。けど、とにかくナオが好きだった。  そんなある日。MAGのライブ後の打ち上げ中にちょっとした事件が起こった。その日の対バンで、東京から来た最近メジャーデビューしたバンドのメンバーに、僕が口説かれたんだ。 単なる見た目の事実としていうと、僕は女の子っぽい。ゴシック調のファッションが好きなので、ゴスロリ的なテイストの服を着てアクセもつけている。流石にスカートではないけれど。 だからなのかゲイではない男に口説かれる事も多い。その男も「自分はノーマルだけど、君ならいけるかも?だから試させて?」みたいな感じでしつこく迫って来た。 バンドとしては先輩だし、メジャーデビューもしている人なので、あんまり邪険にするのも気が引けて適当に相手にしていると、ナオが横に来てくれた。 「こいつはオレのもんなんで勘弁してくれませんかね?」 へっ???!! ・・・その場は騒然となった。特にアキがw

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