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ガイドセンターにて 2

「書けるとこなんて名前と性別ぐらいがせいぜいだ」 「まぁ、そうだろうなと思いつつ書いてくれる人がいたらと、住所とか記入する欄を用意してるだけだからね。ちなみに、住所は悪用するつもりはないよ。君たちの世界のことなんて知らないわけだし」  レオは受け取った二枚の用紙を受付カウンターの横にある四角い機械に入れ込む。  用紙が吸い込まれて、取り付けられている画面に「受け付けました」という文字が表示された。  暫くしてさっきの女の子、ナツが小さい体で片手それぞれにお盆を乗せて戻ってきた。  フラフラするでもなく優雅に歩いている姿を見て少し感心する。  意外と力持ちなのかもしれない。  ナツはレオに近づき、二つのお盆をすっと差し出してから口を開く。 「持ってきた。中身は、烏龍茶」 「ありがとう。それじゃあ、二階に行こうか。多分、トウリが待ってる」  長い階段をお盆を二つ持って登っていくレオの後ろ姿をしばらく見つめてから、渚の手を取る。 「とりあえず、ついて行こう。何があるかわからないから手繋いでるぞ」 「あぁ」

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