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冬季の告白と揺れる気持ちと
「あぁ、俺も元、異世界人だからな」
「そうなんですか?!」
渚も冬李の言葉に驚く。
「元ってどういう意味ですか?」
俺の質問に待ってましたとばかりに、冬李は嬉しそうに笑みを作って言葉を続けた。
「俺はレオと一緒にいるために元の世界に帰ることを拒否したんだ。その代わりに、君たちのような困っている異世界人を手助けする仕事についている」
「レオと一緒に?」
「あぁ、俺とレオは恋人だからな」
その言葉に部屋の中がシンと静まる。
何か言わないとと思いつつも、何を言えばいいのかわからなかった。
つまり冬李はレオと付き合っていて、恋人同士だから元の世界に帰らないという選択をしたということか。
冬李とレオは男同士なので同性での恋人、ということで。
そこまで考えて、俺はチラリと横に座る渚の顔を盗み見た。
びっくりしすぎたのか、瞬きを繰り返して固まっている姿にいたたまれない気持ちになる。
まぁ、そういう反応になるよな……。
「えーと、ごめん。衝撃事実だよなー……? とりあえずこのことは置いとこうか。そんなこんなで俺がこのガイドセンターのセンター長であり、君たちをサポートすることになっている。よろしくな」
「あ……えっと、よ、よろしくお願いしますっ」
渚ははっと我に返ると、慌てて頭を下げた。
俺も倣うように冬李に頭を下げる。
「あはは、ごめんな。気持ち悪いとか思うかもしれんが、どうしても隠しておくのはレオに悪い気がして」
「そ、そんなことないですっ! ちょっとびっくりしましたけど、人を好きになるのに性別とか関係ないですから。俺は全然いいと思いますよ」
「…………」
何でもないようにそういう渚の言葉に少し心の中が軽くなる感覚があった。
俺のこの気持ちも少しは、脈があるだろうか……。
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