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君と迎える朝。

 その日は、外から聞こえる鳥の鳴き声と、窓から差し込む朝の光で目を覚ました。  視界に飛び込んできた見慣れない天井をぼんやりしながら見つめる。  何度かゆっくり瞬きを繰り返してからごそごそと布団の中で寝返りを打った。  その視線の先に、見慣れた顔が寝息をたてているのが目に入り、脳が一瞬停止する。 「なぁ……っ!?」  俺は勢いよく起き上がると隣で眠っている渚から離れるように後ずさった。  頭が覚醒したことでようやく昨夜、LP回復のために渚を抱いたことを思い出す。 「そうか……昨日、俺たち……」  苦しくも幸せな記憶が頭の中に次々蘇って顔が熱くなっていく。  ブンブンと頭を振ってから深呼吸をし何とか心を落ち着けると、そろそろと元の場所に戻ってからもう一度寝転んだ。  穏やかに眠る渚の頭を優しく撫で、長いまつ毛に引っかかっている髪を指先で移動させる。 (相変わらず、寝顔……かわいいな……)  そのままその指を唇に移動させて指先でなぞった。  ふにっと柔らかい感触に心臓がドキドキと脈打つ。 (昨日、この唇にキス、したんだよな……)  先程追い払った昨夜の渚との行為をまた思い出してしまい、下半身に熱が集まるのを感じた。  まずい……。興奮してどうするんだ。  こんな状態、渚にバレたら何を言われるかわからないぞ。  俺は気持ちを落ち着かせるために一旦離れようと、もう一度起き上がりベッドから降りようとした。 「うぅ……ん……まだ、だめ……」  しかしその直後、渚の腕が俺の腰に絡まってきて身動きがとれなくなってしまう。 「ちょ……っ、こら、渚……っ、離れろって……っ」  やっと落ち着いたはずの心臓が抱きつかれたことによって再び暴れ出し、心拍数が跳ね上がる。  数分前に昨日のことを思い出していたせいもあってか、自身のモノがズボンの中で膨張して硬くなっていた。  そこに渚の腕が当たって刺激されてしまう。  本当にマズい……っ! 「渚ってば、起きろって……っ」 「んん、ぅ……あれ……朝? 荒玖、おはよう」  渚はいつもの向日葵のような笑顔でふわりと微笑むと俺に挨拶をしてくる。  その笑顔に不覚にもドキリと心臓が反応してしまう自分がいた。  なんでこんなに単純なんだろうか。  渚は俺の体を支えにしながら、もそもそと起き上がってきた。  そのせいで自然とお互いの距離が近くなって、ただでさえ強く脈打っている心臓が更におかしくなっていく。  だから近いんだってば……っ。 「……朝だぞ。ていうか、いい加減に離れろ」  俺は必死に自制心をフル稼働させて平静を装いながら、渚の肩を押して離れさせた。

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