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第5話
「頑張ってー」
オレが拍手してそう言ってる横で、ルカが、ゴウの体を回してる。
皆がわーわー言って、ミウも、ゴウの上をフワフワ飛んで見物してて。
最後に、勢いを付けて振り下ろしたゴウによって、スイカは、綺麗に割れた。
「おー」
皆が拍手で喜んで、目隠しを取ったゴウが笑うと、余計盛り上がる。
「ゴウ、すごーい!!」
こんなに綺麗に、ばっかり割れるとか。
剣士だからかな?
ひとしきり盛り上がった後。皆で、スイカを適当に分けて持って、海の方向を見ながら、並んで砂浜に座った。
「おいしー」
「これ、うっま」
「すごい甘いね、これ」
リアとゴウとキースが言う横で。
「わー、これちゃんと、スイカだー!」
オレの感想に、皆、何言ってんだと笑う。
「だって、スイカの形してるけど、食べたら違うのかとも思ってたから」
あはは、と笑うと、皆も一緒に笑う。
「これでスイカ割り、終わりか?」
ルカの声に頷いて、笑う。
「楽しかったでしょ? 盛り上がるでしょ?」
そう言うと、皆、可笑しそうに笑いながら。頷いてくれる。
「海綺麗だし。スイカ美味しいし」
言いながら、膝の上でスイカを食べてるミウを見つめて。
「ミウはめちゃくちゃ可愛いし。――――……楽しかったなぁ」
そう言うと、皆が、「それはいつもじゃん」と言って笑ってる。
「ありがと――――……いつも、つきあってくれて」
オレがそう言うと。
皆は今度は何も言わず、ふ、と笑ってる。
「付き合うに決まってんだろ」
ルカがそう言って、オレの頭をよしよし、と撫でてくる。
「……うん」
すごくすごく、嬉しくなって。
オレは頷いた。
「にしてもさー。ルカって、ほんとに目隠ししても見えちゃうの?」
「見えはしねえけど。感覚的に感じるっつーか。分かると思うぞ」
「前から思ってたけど……ルカって、人間??」
オレが言うと、ルカはちょっとムッとして。他三人はクスクス笑ってる。
「――――……後で証明してやるから」
「……? あとで証明? どーやって?」
「同じ人間だって、教えてやるからなーベッドで」
何だそれっ。突然下ネタぶっこんでくるなー。
ルカのバカ―!
真っ赤になったオレを見て、ルカがぷっと吹き出した。
「またなんか思い出したら、色々やろうな、ソラ」
「――――……」
ふ、とルカを見て。
周りの皆の顔も見て。
「うん」
ここに皆と居れる事を、すごく楽しいなと思って。
オレは、頷いた。
透き通った青い海と、白いサラサラの砂浜と。
皆と、ミウと。
スイカ割り。
めちゃくちゃ、楽しかったなーと。
心から、思った。
-Fin-
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