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第4話
「じゃあオレがやる。ゴウがやったら、一撃で割れちゃいそうだから、先にやっとくね」
「ん。キース、布貸せ」
キースから布を受け取って、ルカがオレに目隠しをする。ぎゅ、と縛られて、棒を渡される。
「ルカ、回してー10回ね、あっ! 優しくね!!」
絶対グルングルン回されそうな気がして、そう言った瞬間。
「ん、ぐ――――……っ」
二の腕を掴まれて、引かれたと思ったら、唇が塞がれる。
「……? んっ、う――――……」
舌が、当たり前みたいに中に入ってきて、絡んでくる。
「ん、ン……っン…………っ!!」
目隠しの中でぎゅううっと目をつむって、顔を背けて、やっとのことで、唇を離させる。
周りで、呆れたような笑い声が聞こえる。
皆のいつもどおりの笑った顔が、まるで見えるようだけど。
「もう……っ! っにすんだよ!!」」
見えないけど、睨んで、そう言ったら。
「……リアに見惚れてるから。お仕置き」
くす、と笑われて、そんな事を、耳元で、囁かれた。これは、きっと、皆には聞こえてないはず。
「~~~~っ」
バレてた。と、ちょっと焦りつつ。
だからって、こんな目隠し状態で、あんなキスするとか!
ひどいってば。もう!
「ほら、ソラ。回すぞー」
「っ」
ムカついたまま、くるくる回される。
「はい、10ー」
……うっわ、くらくらする。
10って、こんなにくらくらするっけ??
昔、こんなだったっけ?
うー。きっと精神状態、キスされてぽわぽわしてたから、よけい、ぐるぐるなったに違いない。
ルカへの怒りをスイカにぶつけよう。
そう決めて、歩き出す。
「ソラこっちだよー」
リアの声の方に進む。と、逆方向のゴウが、もうちょっとこっちだ、という。くらくらしながらちょっとずつ進む。
「ソラ、もっと右ー」
キースの声。三人の声に導かれながら進む。
……ルカの声がしなくて、ちょっぴりだけど、不安になった時。
「ソラ、こっち。そのまままっすぐ来い」
笑みを含んだ、ルカの声。
――――……なんか、ムカついてたのに。
暗い中、すっと、道が通ったみたいな気分。
「そのまま。まっすぐ」
自然と、言うとおりに、動いてしまう。
「そこで思い切り」
言われるまま、棒を握り直して、振り上げて、力を込めて振り下ろした。
がつ、と手ごたえがあって、なんだか、心地良い、音がした。
すぐに目隠しに触れて、少し降ろすと。
少しだけど、ひびが入って、中の赤いのが少し見える。
「きゃーやったねー」
リアが、嬉しそうに笑う。
「おーソラー、ナイス」
「すごい、ソラ。割れたね」
ゴウとキースも、スイカを見ながら笑ってオレを見上げてくる。
うんうん、と笑顔で頷いてると、いつのまにか隣に来てたルカに、ぽんぽん、と頭を叩かれる。
「気持ち良かった?」
「うん」
「良かったな」
クスクス笑って、そう言ってくれるルカに、頷いてると、ゴウがオレから目隠しの布を取った。自分で、縛りながら、「じゃあ後は任せとけ」と笑う。
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