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新しい生活のはじまり
エントランスの前に黒服の男たちがズラリと一列に並び出迎えてくれた。
顔は怖いがみんな四季の味方だ。じきに慣れる。ヤスさんにはそう言われたけど、そう簡単には慣れないと思うんだけどな。
「ヤスさん、さっきお爺ちゃんと……そ、その……」
抱っこしてもらい車に横付けされた車椅子に下ろしてもらうときにヤスさんにおっかなびっくり聞いてみた。
「たいしたことじゃない。ただの世間話しをしただけだ。そんな顔するな」
不安を一掃するかのようににっこりと微笑んでくれた。
「あれ、こはるちゃんは?」
遥香ちゃんがちょうど幼稚園から帰ってきた。
「道路に飛び出したら危ないからな。ママが車椅子に移動するまで円花と一緒に車の中で待ってる」
「ヤスさん、しきさん、こはるちゃんとあそんでもいい?」
「もちろんいいよ」
「やったー!」
勝さんが後部座席を開けてくれて。チャイルドシートから心春を下ろしてくれた。
「こはるちゃんあそぼ」
「うん」心春は自分から遥香ちゃんの手を握ると仲良くエレベーターに向かった。
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