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青空さんとの出会い
「ろくにご飯も食べず、ほとんど寝ないで紬ちゃんのお世話をしていたのでしょう。倒れるのも当たり前です」
応接室のソファーで横になり結お姉さんは眠っていた。
「櫂に何度連絡を入れても繋がらない」
紬ちゃんを抱っこした蜂谷さんが姿を見せた。
「哺乳瓶を受け付けなくて、ぎゃんぎゃん泣いて大変だったんだ。やっと寝たところだ。柚原はこの一大事に子どもたちを連れて出掛けているし」
未知さんが紬ちゃんにおっぱいを飲ませようと抱っこしたら、ぴたりと泣き止み、すとんと寝てしまったみたいだった。
「柚原ひとりだけじゃない。鞠家と紗智たちも一緒だから心配ない。さっき電話を掛けたら戻り足だって話していたらそろそろ帰ってくるはずだ」
蜂谷さんの言う通りそれからまもなく両手にお菓子の山を抱えて心春が帰ってきた。
「駅前の広場でまちなかフェスタというイベントがあって、心春と遥香はビンゴ大会でそれぞれ一位と二位。一太はじゃんけん大会で優勝してお菓子をたくさんもらってきたんだ」
円花は柚原さんの背中におんぶしてもらい、紐をぎゅとと握り締め、すやすやと熟睡していた。
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