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青空さんとの出会い
「ままたんにおみやげ」
一太くんが橘さんに封筒を渡した。
「これは?」
「的当てゲームで商品券が当たったんだ。それもニ回」
誇らしげにVサインを見せてくれた。
「すごいですね」
「ままたんと、あと四季さんにあげることにしたんだ」
「え?僕?」
「おなかの赤ちゃんに新しいふくをかってあげて」
封筒を渡された。
「ありがとう」
思いがけない贈り物に涙が出そうになった。
「一太くん、この子が産まれるまで大切にしまっておくね」
お腹を撫でながら答えると一太くんは照れて真っ赤になった。
「つむぎちゃんママがつかれてねんねしてるから、みんな家にいどうするよ」
一太くんがみんなに声を掛けると、
「こはるちゃんいこう」
遥香ちゃんが心春の手を繋ぎ連れていってくれた。
封筒の中身をそっとみると五百円の商品券が入っていた。駅前となかまち夢通りの商店街のみで使えるみたいだった。
「子供服が売っている店を探さないとね」
「うん」
彼と目を合わせるなり笑みが零れた。
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