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櫂さんの哀しい過去
「こういうときは甘いものを食べて気分転換だ。和真、たまには姉孝行して、ファミレスとかに連れてやったらどうだ?」
「もしかして今ですか?」
「今じゃなかったらいつ行くんだ。円花も紬も寝ているらしいし、心春は一太と遥香に預けておけば大丈夫だ。これは俺が言ったんじゃねぇぞ。橘だからな。母乳を搾乳しておいてくれればいいって」
恥ずかしいのかな?卯月さんの顔がほんのり赤いような気がした。
蜂谷さんに駅まで車で送ってもらい、駅ビルの中にテナントとして入るファミレスに向かった。
タッチパネルを操作していた結お姉さんの手が止まった。フルーツてんこ盛りのパフェにするか、アイスが三割増しのチョコバナナパフェにするかでかなり悩んでいるみたいだった。
「両方頼んだらどう?」
みるにみかねた彼が声を掛けると、
「太っちゃう」
「姉さんは痩せすぎなんだ。食べないと駄目だ」
彼が代わりにタッチパネルを操作し注文を完了させた。
蜂谷さんと青空さんは隣の席だ。向かい合って座るのではなく、なぜかソファーに仲良く並んで座っていた。
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