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櫂さんの哀しい過去

「あのふたり、絶対に怪しいんだよね。そう思わない四季くん?」 「へ?」 急に話しをふられ、変な声が出てしまった。 「もしかして話しを聞いてなかった?」 「ごめんなさい。もう一回言ってもらってもいいですか?」 「蜂谷さんと青空さん、仲が良すぎない?朝から晩までいつも一緒、寝るときも一緒なんだって。絶対に怪しいと思わない?」 「でも本人たちはそれぞれ恋人がいるって」 「口ではなんとも言えるわよ」 結お姉さんがスマホをリュックサックから取り出すと二人に向けた。 「姉さん、撮るなとは言わないけど、一言断ってからにしたら?」 彼がトレイに飲み物を乗せて運んできてくれた。 「和真お願い」 「たく、しょうがないな」 彼が二人に声を掛けようと振り返ると、蜂谷さんが青空さんが着ているタンクトップの裾を捲りタグを弄っていた。 「えっと……」 声を掛けるにも掛けられない気まずい状況に彼が困っていると、 「どこかでひっかけたみたいで、穴が空いてるんだ。サイズを確認しようと思ってな。青空は今もすくすくと成長中で、買ってやったばかりなのにもうぱつぱつなんだ」 蜂谷さんのほうから声を掛けてくれた。

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