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死人に口なし

「死人に口なしとはよく言ったもんだ。知らぬ存ぜぬ。紘子と千賀のトラブルが殺人事件に発展しただけ。俺は一切悪くないの一点張りだ。死人に責任転嫁し逃げることしか考えていない最低な男だ。こんな男を父親を持った和真と結が不憫でならない」 「子どもは親を選べないからな。和彦は十矢のことは認知していたが、赤ん坊は出生届も認知届も役所に出してなかった。和真の本当の名前は誰も知らない。お、今度は上手に結べたじゃないか」 蜂谷さんに褒めてもらい青空さんが頬を染めた。 「俺、ずっとネクタイは手足を縛るものだと思っていた。脅して首を絞めるものだと思っていた。実際は違ってた」 「青空、昔のことは忘れろ。お前はもう殺し屋じゃないだろう?」 蜂谷さんが青空さんの肩を宥めるようにぽんぽんと撫でると、 「たまにはいいこと言うな。ますます惚れ直した。俺はハチと四季の青空だ。仲良くするぞハチ」 「は?ちょっと待って!」 青空さんが蜂谷さんをひょいと肩に担ぐと、有無言わさずあっという間にどこかに連れていってしまった。

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