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僕のお兄ちゃん

二週間後。DNA検査の結果が出た。彼から渡された封筒をかれこれ五分くらいずっと眺めていたら、 「代わりに開封しようか?」 彼に声を掛けられた。 「お願いしてもいい?開封して中を見る勇気がなかなか出ないの」 「分かったよ。確か、ハサミは……」 あちこちキョロキョロと見回していると、 「これか?」 青空さんがポケットからハサミを取り出すと彼に渡した。 「心春、パパとママは大事なお話しがある。一緒に遊ぶぞ」 「パパ、ママとちゅっちゅっ」 「今はそれどころじゃないぞ」 僕の膝の上によじ登ろうとした心春を、ひょいと片手で抱き上げると、おもちゃが置いてある奥の部屋へ連れて行ってくれた。 一旦目を閉じ、一つ深呼吸してから鑑定結果を見た。 「和真さん、ヤスさんのこと、これからはヤスお兄ちゃんって呼んでもいいんだよね?」 「俺も義兄さんって呼ばなきゃな」 「おじいちゃんたちと、コウお兄ちゃんたちにも知らせなきゃ。僕にはお兄ちゃんがもう一人いたよって。なんで泣いているんだろう。もう、やだ」 手で涙を拭った。 ヤスさんの実の弟、ということは、海堂さんの実の息子ということだ。そしてこの子は………無意識にお腹を擦っていた。

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