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チカさんとの出会い
「どうしたんですか?」
「六月にガサ入れに入ったとき、瀧田の家からは何も見付からなかったが、海翔のランドセルの中から、国内ではあまり流通していないドラックが見付かっていたんだ」
「サツはすぐに海翔を引き取った祖父母に連絡を取ったが電話が繋がらなかった。検査のために病院を受診することになっていたがそこにも現れなかった。まるで神隠しにあったように忽然と姿をくらました。姐さんが海翔のことを心配していて、うちで引き取れば良かった。なんであのとき引き留めなかったんだろうと今も後悔している。海翔が無事でいればいいんだが……」
心配そうに眉を寄せた。
「ハチ、副島が来てる。通すか?帰ってもらうか?」
「昴は?」
「おぃ、彼氏はどうしたって聞いてるぞ」
青空さんがインターホン越しに廊下にいるであろうコオお兄ちゃんに聞き返すと、
「ヤスと佐治がみてるから心配ないと言ってる」
「そうか、分かった。通せ」
ふぇ~~ん、ふぇ~~んと円花が大きな声で泣き出した。ハンドリムに手を置いて行こうとしたら、
「子守りは任せておけ」
鞠家さんが僕の代わりに円花のところに行ってくれた。
「柚原といちいち張り合ってもしょうがないんだがな。助けを呼ぶときはなるべく鞠家を指名してやってくれ」
いまいち理解出来なくてきょとんとしていたら、
「男の焼きもちほど面倒くさいものはないからだ」
困ったように苦笑いをしていた。
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