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宋さんの友だち
気付いたときには警察に囲まれていた。
「保育園から連れ去られた子どもを無事に保護した。ここにいる男たちが犯人だ。さっさと逮捕しろ!」
若井さんが声を張り上げた。
卯月さんは一切反論をしなかった。
「お前ら何をしている。相手はヤクザとそのイロだ」
「真実が白日のもとに晒された。誰も耳を貸さない」
感情を押さえた声で蜂谷さんが静かに口を開いた。
「喧しい。この裏切り者!警察の面汚しが!」
若井さんがどんなに喚こうが誰一人その場から動くものはいなかった。
「どいつもこいつも。役立たずのゴミどもめ!」
思い通りにならなくて。若井さんが苛立ちはじめた。
「あ、そうだ」
にやりと笑い子供の髪を鷲掴みにすると、隠し持っていた銃をこめかみに突き付けた。心春だと間違われて人質にされた男の子は恐怖で顔がひきつり泣きじゃくっていた。
「恨むなら菱沼組の組長を恨め」
若井さんが引き金に指を置いた、まさにその時だった。パン、パン、パンと乾いた銃声が三回鳴り響いた。
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