チカさんのダーリンこと国井さんがなかなか現れなくて。チカさんが何かあったのかしら？もしかしてチビッ子たちに捕まったかしら？そんな話しをしていたら、 ｢ごめんチカ、遅くなって」 太惺くんと心望ちゃんを抱っこした男性が部屋に入ってきた。 この人が国井さんかな？ 年齢は卯月さんくらい。長身でがっしりとした体格の持ち主だった。 下から見上げると怖いくらいとても大きいひとに見えたけど、子ども好きなのか、国井さんの目尻が下がりっぱなしになっていて、太惺くんと心望ちゃんにデレデレだった。 ｢未知に挨拶しに行ったら二人に見付かってしまったんだ。カミさんに焼きもちを妬かれるから抱っこは出来ない。駄目だって言ったら、下唇をおもいっきり伸ばされて、ギャン泣きされるし。チカ、ここちゃんを頼む」 ｢頼むって言われてもここちゃんが嫌だって首を振ってるわよ。久し振りに面白いおじちゃんに会えたんだもの。離れたくないよね」 ｢あのな、チカ。面白いおじちゃんって……」 ｢だってそうじゃないの」 チカさんがぷぷっとふきだした。