｢兄さんと紘さんに手伝ってもらいますか？」 ｢昴、休みの日の朝だぞ？新婚さんだし邪魔したら悪いだろう」 ｢それは分かるよ。僕たちも新婚だから。でもみんなで手分けして調べたほうが早くない？」 ｢まぁ、それもそうだな」 コオお兄ちゃんが尻ポケットからスマホを取り出した。でも画面を見たまましばらく動かなくなってしまった。 ｢浩太郎どうしたの？」 ｢昨日も朝っぱらから用もないのに電話を掛けてくるなと斎藤に怒られたしな。四季、頼む」 ｢え？僕？」 ｢二人とも四季の声を聞きたがっていた。リダイヤルを押せばすぐに掛かる」 コウお兄ちゃんからスマホをぽんと手渡された。心の準備もまだしていないのに。わたわたしていたら、間違ってリダイヤルのボタンを押していた。気付いたときはすでに遅かった。 ｢斎藤さん、朝早くからごめんなさい」 スマホを握り締めひたすら謝った。