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ディノンさん

「宋さんは肝心なことを四季さんに伝えなかったんですね。ディノンさんは日本人です」 「え?そうなんですか?」 予想外の事実にびっくりして目を丸めると【中国名・地竜《ディノン》。黒竜《ヘイノン》と敵対するマカオを本拠地とするマフィア・死神《スーシェン》のボス】橘さんが笑いながらメモ紙に書いてくれた。 「話せばかなり長くなるので割愛しますが、見た目は怖いですが、悪い人ではありません。愛妻家で子煩悩で正義感が強くて仲間思いの方ですよ」 ー褒めても何も出ないぞー 「別に褒めていませんよ。本当のことを四季さんに話したまでです」 橘さんが通話をスピーカーに切り替えてくれた。 「あ、あの……」 めちゃくちゃ緊張するけどちゃんとお礼を言わないと。すっと息を吐いて、言葉を続けた。 「地竜さん、お祝いをたくさんいただいてありがとうございます」 ー俺の愛する妻が世話になっているんだ。ありがとうはこっちの台詞だー あれ?未知さんの夫は卯月さんじゃないの?首を傾げると【そこはスルーして深く考えないで下さい。話しを合わせて下さい】橘さんがメモ紙を見せてくれた。

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