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ディノンさん

ーでもまさかヤスに本当に妹がいたなんてな。びっくりしたぞー 橘さんが誰かと電話で話しをしていた。初めて聞く声だった。 「運命の赤い糸は、和真さんだけでなく、ヤスさんとも繋がっていました。出会うべくして出会う運命だったのかも知れませんね」 ー俺が未知と卯月と出会ったみたいにな。俺は橘と同じで最初からヤスと弓削がくっつくと予想していたぞ。新婚バカップルになった二人に会うのが今から楽しみだー 「そうですね」 橘さんと何気に目があってしまった。 「起こしてしまってすみませんね」 「いいえ、大丈夫です」 首を横に振った。 「橘さんのお知り合いですか?」 「えぇ。ディノンさんです」 「ディノンって……あ、そうだ。お祝いをたくさんいただいてありがとうございますって言わないと。ディノンさん日本語すごく上手ですね」 「日本語?」 橘さんがきょとんとして首を傾げた。何か変なことを言ってしまったかな。不安になった。

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