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罪を憎んで人を憎まず
あれ?なんだろう?【十矢人生やり直し計画】と書かれた紙がベットの下に置いてあった。雄士さんの忘れ物かな?円花に見つかる前に片付けなきゃ。
車椅子に移乗し、それから下におりて拾おうかなと思っていたら、
「円花、それはあむあむするものじゃないの」
やっぱり円花のほうが早かった。さっきまではいなかったのに。いつの間に。油断も隙もないとはこのことだ。
「円花、ヤギさんになっちゃうぞ」
「ごめんなさい、青空さん」
「俺がいながらすまない。天気がいいからぼぉーっとして空を眺めていた」
青空さんが円花にちょうだいと両手を差し出すと、じっと青空さんを見つめたのち返してくれた。
「困ったな。くしゃくしゃのべたべただ。雄士にごめんしてくるか。行くぞ円花。どこかに隠れている鬼さんを探すぞ」
僕の膝の上に紙を置くとそのまま円花を連れていってくれた。手で紙を伸ばしながら、なんだろうと思ってちらっとなかを見てみた。
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