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自慢の妹
ーあら、ちょっとお兄ちゃん!ー
甲高い声が聞こえてきたからドキッとした。
「柚原さん」
キリッと睨んだ先には柚原さんがいた。
「いいタイミングで電話が掛かってきたんだ。怒らないでくれ。可愛い顔が台無しだ」
橘さんの頭をぽんぽんと撫でる柚原さん。
「頼むから角をしまってくれ」
ーお兄ちゃん、アタシの大好きなお兄ちゃん、ますます好きになったじゃないの。二度惚れしちゃったわよー
「寒気がするのは気のせいですか?」
ー気のせいよ。それより、玲士なかなかやるじゃん。見直したわ。さすがは遥琉お兄ちゃんの息子婿殿よねー
「遥琉からお前しか出来ないと、じきじき頼まれたので気合いの入れ方が違います。十矢さんのことは玲士さんと雄士さんに任せておきましょう」
ーうん、うん。了解。でね、お兄ちゃん、ちょっと小耳に挟んだんだけどー
「何ですか?すごく嫌な予感がするんですけど」
ーゴールデンウィークにハチの実家にみんなでお泊まり会をするって聞いたの。本当?ー
「誰からそれを」
ー誰でもいいでしょ。内緒。アタシもダーリンと子どもたちを連れて遊びに行くことにしたから宜しくねー
「宜しくねって、ちょっと千里」
ー四季に変わってちょうだい。アタシ、四季に用があるのー
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