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■>村岡鷹也誕生日(8/8)小話
「み、みよさん」
「ん、どした?」
「廃棄予定の材料ってもらってもいいですか?」
「おー。いいよ。どったの?」
「休憩の時にカッサータ作ろうかと思って、この辺使いたいんですけど…」
「フルーツか。賄いには使わないしいいよーつかいなー!そして私にもちょーだい!」
「もちろんです!」
「生クリームもぎりぎりのがあったきが…あった。つかいなー!」
「わ。ありがとうございます!材料キッチンに置いといていいですか?」
「おーいいよいいよー。」
――
「ん。いい感じに凍ってる。」
「作るの?生クリームやろうか!」
「え、でも休憩時間なのに…」
「ご馳走になるんだしそれくらいやるさ」
「ありがとうございます」
――
「ん、こんなもんかな?チーズの方はできた?」
「はい!ナッツもOKです。」
「おーけーおーけー!型それつかっていいよー!」
「ありがとうございます!リキュールは…これいれて…フルーツ混ぜて……」
「固まる前でも、美味しそーよねー。」
「ですね。ディナー始まる前にくらいはいい感じになってると思うんですけど、みよさん今日は残れますか?」
「うんうん。ポンコツ家にいるから大丈夫!」
「ポン……旦那さん泣いちゃいますよ…」
「あはは」
――
「んーーーー!おいし!ドライフルーツメーカー買ってレギュラーデザートにしちゃおっかー!紅茶リキュール使ったんだっけ?」
「えへ、この前肉仕込むのに使ったのがのこってて…。」
「おはようございまー…何食べてるの?」
「おークッシー!タカが作ったカッサータ!」
「へえ。」
「えっと、櫛原さんも食べ…ま
「いいの?ぜひ「今」食べたいな」
「う、あ、はい。切ってきます……」
「食いつきのスピードと圧が怖いわ」
「ああ言っとかないと、置いとくので後で食べてくださいと言われるんだよ。こっちは直接感想言いたいのに。」
「あー、なんだろね恥ずかしいんかな」
「それは、意識されてるということなのかな」
「それとこれとは話が別じゃない?」
「ですよね……。」
「櫛原さん、おまたせしました。」
「あ、ありがとう。美味しそうだ」
「えと、遠坂さんと、宗田さんの分も取り分けたので、あとで…」
「わかった。伝えておくよ。食べていい?」
「はい。ど、どうぞ。」
「うん、美味しい!ドライフルーツじゃないんだ?」
「廃棄食材を救ったんだよねー!」
「あーなるほど。うん。美味しいよ。二人もきっと絶賛する。」
「ありがとうございます」
「ところでさ、なんで急にカッサータ?」
「あ、えと、今日誕生日で……誕生日ケーキ作ろうかなって……」
「……あ、ほんとじゃん!ちょっと!もーごめん!お昼誕生日ランチにしたらよかった!!しかも誕生日ケーキ横からくれっていっちゃったのか。ごめーーん!!」
「いえ、大丈夫です。むしろ手伝ってもらって感想までもらったから……」
「やー!私の気がすまないの!明日!リベンジさせて!!」
「いや、そん…
「はいっていうまで言われるよ。」
「う、楽しみにしてます。」
「まかしとけー!メニュー考えながら帰るわ!じゃ、おつかれ!カッサータごちそうさま」
「おそまつさまでした。おつかれさまです。」
「おつかれさま」
――
「ちなみに」
「う?」
「俺は誕生日プレゼント用意してるよ」
「へ?」
「遠坂から聞いてたんだ。君の誕生日。
はい、これ。」
「わ、これこの前オープンした店のチョコバーだ…」
「うん。チョコ好き?」
「はい!あの、ありがとうございます。」
「喜んでもらえてよかったよ。」
「お、お返し…しないと…櫛原さん誕生日いつですか」
「俺?2月14日だよ。」
「わ、バレンタインデーだ。似合う……!」
「ふっ……似合うってなに……ふふ」
「えあっ、バレンタインのチョコいっぱい貰ってる姿が想像ができる?みたいな??」
「なるほど。ふふ、まあバレンタインなのか誕生日プレゼントなのかよくわからない感じにはなるよ。」
「櫛原さん、モテそうだもんな……」
「そう?まあ否定はしないけど。村岡くんはどう?」
「ん?おれですか?チョコはもらえるけど餌付けって言われてました」
「(聞き方が悪かったか。)餌付けねぇ」
「おれ、この通りなんで、高所のもの取ったり力仕事があるとよく呼ばれてたんです。だからいつもなんかもらってた気がします」
「ふーん?じゃあ俺も村岡君を餌付けしようかな?」
「ええ?!仕事は言ってもらえればなんでもしますよ!」
「仕事は、でしょ?」
「????」
「ふ、まあ、おいおい。ね。今度好きなもの教えて?色々リサーチするよ。」
「は、はい……?」
「ふふふ」
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