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09 夢を追う者(3)

部屋に入るや否や、服を脱ぎ散らかしベッドになだれ込んだ。 四つん這いにさせられたヒカルのアナルには、カイト極太のペニスがブッ刺さる。 カイトは、腰を力任せで振り続け、ヒカルの体を休ませる事なくガンガンに攻めていく。 乱暴で強引。 それはまさに獲物にありついた肉食獣。 「すごい、すごい、いくっ、いくーっ!」 「まだまだだ……解き放て! もっと、もっと自分をさらけ出してみろ!」 「また、いっちゃう、いっちゃう、……あーっ……ううっ、あわわわ……かはっ」 気を失いかけるヒカルのお尻を、カイトは、そうはさせまいと、思いっきりパーンと引っ叩いた。 「おい、いくの早くないか! お前、少しは我慢しろよ。溜めて溜めて爆発させろ!」 「……そ、そんなの無理だ……こんなぶっといチンコがケツマンコにずぶずぶ突き刺さってんだ……我慢なんて出来っかよ!」 「なら、もっともっと高速にピストンしてやる……」 「……バカ! ケツ穴、すでにヒリヒリの敏感状態になってんだ! そんなに擦ったら、痛いにきまってんだろ!」 「それがどうした! オラ! オラ!」 「やめてくれ……うっ、はううっ」 ヒカルは、悲鳴をあげる。 しかし、カイトは止まらない。 「どうだ? ケツ穴擦れて気持ちいいだろ?」 「やめ、やめろ……オレのアナル……壊れちゃう、壊れちゃう」 「じゃあ、壊してみようぜ! オラオラ!」 「やめろ!! うっ……特大のきたっ……あっ、ああっ……熱い、熱いよ……ダメ……いっ、いくーっ!!」 ヒカルは、イキの限界点を超え崩れ落ちた。 「あははは! いいぞ! その調子だ! もっと感情を爆発させろ!」 「あわわっ、ううっ……」 そのまま、体を大きく痙攣させ白目を向いた。 「ちぇ、気絶しちまったか? しかし、お前いいケツしてるぜ。さすが、バンドメンバーを虜にしてきただけの事はある。全く、気持ちいいったらありゃしない」 それは、カイトにとっても新鮮な体験だった。 雑巾をぎゅうぎゅうに絞るように締め付けてきたかと思えば、プルプルゼリーをぬちゃぬちゃと絡めるように包み込んで来る。 そして、気を失っているというのに、ヒカルのオス膣はカイトのペニスを締め付けて離さない。 ……うっ……やばいな。……さすがに俺も我慢出来なくなってきた……気持ち良すぎだ。 「おい! ヒカル、目を覚ませ!」 カイトは、ヒカルの頬を手の甲で叩いた。 「うっ……うーん……カイト? あれ? オレ、気を失っていたか?」 「ああ、思いっきりな」 「そっか……って、お前のまだオレの中に……何だよ! まだ射精してないのかよ!」 「そうなんだが……もうイキそうなんだよ」 「じゃあ、さっさとイケよ。ったく、オレが気を失ってっときに出しておけば良かったのに……」 ヒカルは、お前は変な奴だ、と言わんばかり。 カイトは真顔で答える。 「お前バカか?」 「何がだよ!」 「セックスは一緒にいかないとダメなんだよ」 「え!?」 驚き顔のヒカル。 それもそのはず、今までヒカルが相手にしてきた男は、まずヒカルをイカせマウントを取り、勝利の余韻に浸り存分精子をぶちまける。そんな男達ばかりだった。 「……一緒って」 「ふっ。そうさ曲の演奏と同じ。二人の波長、リズム、そして気持ちを一つにし、セックスという曲を奏でるんだ」 そう言って説明する間にも、カイトは腰を振り始める。 「うっ、うう……またピストンを……お前はまたオレをイカせるつもりか?」 「当たり前だろ?」 「無理すんなって……」 「ぷっ、ケツ穴、ヒクヒク痙攣させて良くいうぜ。お前の性感帯、もう丸裸だぞ」 シンクロする二人の体。 甘く切なく、そして激しく荒々しい。 ヒカルの頬は、可哀想なくらい高潮し、瞳は溢れんばかりの涙で潤む。 カイトの体からは汗が噴きだし、それは湯気となって二人を包んだ。 二人の愛のダンスは終着地点へ。 「はぁ、はぁ、もうイク、オレ、もうイク」 「ああ、俺も出る……いいぜ、一緒に……オラ! オラ!」 「ああ、早くっ! 早くっ! あっ……いく……」 「オラ!!」 「あーっ!」 イキのまどろみから戻ったヒカルは、目の前にカイトの顔を見つけホッとした。 夢ではなかった。 今まで味わった事の無い快感。 そして今もカイトの腕に囲まれて、心地よく胸の鼓動が鳴り続ける。 「カイト……オレ、こんなの初めて……どこか別世界に行った気分だ……」 「……そうか?」 自信に満ちたカイトの顔。 男らしい男の顔にさらに磨きがかかる。 ……オレはこんな男に抱かれたのかよ。最高じゃないか……。 ヒカルの瞳には、ずっと待ち望んでいた憧れの男の姿が映っていた。 「しかし、ヒカル。本当に別世界に行くのはこれからだぜ。俺は確信を持てた。お前が本当に望む曲を書けそうだ。ありがとな、ヒカル!」 カイトは、ヒカルの体をガシッと抱きしめる。 苦しくて息が出来ない。 でも、それが嬉しい。 ヒカルは、うわごとのように呟いた。 「……そうか、セックスも音楽も同じ、一緒に気持ち良くなるか……お前って優しいのな……」 「ん? 何か言ったか?」 「別に! ただ、オレ……なんか幸せかも!」 「ふーん」 「な、なんだよ! その態度」 「お前さ、そういうセリフは彼氏にでも言えよ」 カイトが無意識に言ったその一言。 折角のいい夢がぶち壊しなってしまった。 ヒカルは、猛烈に悔しくなってカイトの胸を叩いた。 「な……くそっ! くそ、くそ、くそ!!」 「何だ? 変なやつ……」 カイトは何故こうまで理不尽に叩かれないといけないのか理解できなかった。

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