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めぐりあう
男はそれを理解した。
オレの戦きと期待を。
だから男はオレのペニスも可愛がった。
指を舐めたいたいきものだった時と同じように、指のかわりにそこをしゃぶって舐めるのを喜んだ。
それは優しくて熱くていやらしくて、気持ちよかった。
熱い口の中は気持ちよすぎた。
生まれて初めての他人の身体の中は怖いくらい良くて、でも優しくされてるから止めないで欲しいとも願う。
でるっ
出るからぁ
叫んでまた出した。
男はそれを音を立てて飲んだ。
「おまえはうまい」
男は笑った嬉しそうに。
それから何回出させられたのかわからない。
床の上で脚を開かせられ、男に延々と射精をさせつづけられていたのだ。
オレはヒクヒクと痙攣していた。
「ああ、すまない、沢山もらってしまったお前にかえさなければ」
男は言った。
そして、オレの身体をそっとひっくり返し、今度はそこを舐めることを始めた。
そんなとこを。
オレのアナルを。
意味はわかったし、返すってことがどういうことかわかった。
でも。
やめてくれとは言えなかった
いきものがオレに優しくしたいのが、そして、オレが欲しいのがわかって。
優しくされた。
されたから。
オレも何かしたかった。
欲しがってくれるならいいかと。
誰もほしがらなかった身体だ。
「見つけた時からわかってた。お前はオレの だ」
何か言ってた。
良くきこえなかったけど、舐められると痺れた。
舌を差し入れられて震えた。
男の甘い唾液がそこを溶かすのは、人間のモノではないからだとわかってて、でもそれ以上に欲しがられるのに酔った。
オレにも誰かが欲しくなるものがあるのだと思ったら、快感以上に感じた。
「優しくしてやる。もう寂しがることはない。たくさんたくさん中にもやるからな」
指をいれられ、そこを確かめられた。
男の唾液で柔らかく溶かされていたそこを、指で丹念に解され、そこがもう、受け入れる場所である事を教えれた。
「ゆっくりゆっくり、していけば、ここで になる」
また良くきこえなかった
指で広げて、ここで感じるんだと教えられた。
もう出せなくなってたから、中だけでイった。
イってる身体を抱きしめられ、キスされたなら幸せ過ぎた。
優しくされて欲しがられて。
他に何がいるというのか。
どうせ、生きてるのに疲れてたのだし。
脚を担がれ、男に貫かれるのは幸せ過ぎた。
もう乾いた羽根が広げられていて、天使が迎えにきたのかと思った。
でも天使ならオレの中にそれを使ってオレを貫いたようないやらしいモノは持っていないだろう。
だから、この男が天使じゃなくて良かった。
「もう大丈夫だ。寂しくないぞ」
男は優しく言うと、でも熱くて大きなそれでオレを引き裂いたけれど、それも優しさだとわかってた。
オレは男にそうされたかったから。
男は優しかった。
翠の目が優しくオレを見てわらってた。
貫かれ、揺すぶられ、焼かれる度に自分が壊されるのがわかった。
壊されるのは、寂しくてひとりぼっちのみじめな自分だった。
「たくさん、もらった。だから沢山返す。互いに返し合えば、何も失わないし、与えあえる」
男はそう言って、
オレに沢山出した。
何度も何度も。
そして、確かに。
オレはそれで補ったのだ。
出される度に満たされた。
性的な意味だけでなく。
イク度に、満足した。
快感だけの意味ではなく。
循環していた。
男からオレへ、オレから男へ、それは巡り合って、奪われることなく満たし合う。
奪うだけでなく与え合うことで、このいきものは生きてた。
オレの指をから何かをもらいそして、同時にオレのに返すことでいきものは生きてるたのだ。
それを知る。
互の中を巡り合う、それこそかエネルギーで、愛なのだと知る。
「なんでオレ?オレなの?」
オレは泣いた。
「おまえだとわかった。オレの だと。ニンゲンだとは思わなかったが、ほら、このとおり問題ない」
男の声は甘かった。
「欲しがるニンゲンはいくらでもいるが、与えたがっているニンゲンはそんなにはいない。優しくしたかったのだろう?優しくされたい以上に」
なんて可愛い、そう男は言った。
「オレの だ」と。
オレはもう。
オレは。
男がイク
オレがイク
それはオレたちの中を循環して。
オレは溶けるように幸せを噛み締めていた。
「オレの番。オレの片割れ。オレの伴侶。大丈夫、お前はちゃんと孕んで卵を産む」
男は微笑んだ。
オレはもう自分の姿が変わっていることがわかった。
男と同じ羽根が生えようとしていた。
それ以上に身体の内部が変わって行くのがわかってた。
オレは。
もう人の世界には帰れない。
それが嬉しくて、また奥を穿たれそこに出されて喜んだ。
オレは卵を産むだろう。
そして家族をつくるのだ。
「可愛い可愛い、オレの番」
男の言葉に震えて感じてまたイった。
オレはオレが消えても気にとめない世界にサヨナラを告げた。
人間をやめるのは嬉しかった
おわり
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