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王都1
みんなおはよう!さあ情報収集だ!!って、そんな必要なかったよ。
『求む!契約精霊保持者。該当される方は王宮まで申し出てください。』
昨日の夜に泊まった宿屋にそう張り紙がしてあったんだ。
話が早いね!!
早速王宮に行く事にする。
王宮に着き、何て言ってらいいかなぁ・・って考えてたら、リイに気付いた門番さんが「契約精霊保持者様ですね?」って通してくれて、あっという間に王様と謁見出来てしまった。
「やあ!初めまして。この国の国王をやっているマサトだ。横にいるのが王妃のカコ。こっちは息子のユイトと、その契約精霊のルー。」
おぉっ!ユイくんだ!!こっちでも金髪のツンツン頭なんだな。相変わらずの超絶美少年っぷり。ルーは金色っぽい毛並みに、これまたちょっと金色がかった白い翼だ。
「初めまして、アスラと申します。」
「アスラ様、初めまして。ユイトです。ユイって呼んでください!」
「さて、アスラ殿。早速だが我が人族と魔族との国交が現在断絶されている事はご存知かな?」
「はい。もう二十年近くになるんですよね?」
おっ?王妃様がこっちを見ているぞ?
「私から説明させてください。初めましてアスラ様。この国の王妃、カコと申します。この国交断絶は私のせいなんです・・・」
うん、知ってる。その後も王妃様は俺が知ってるのとだいたい同じ話をした。
そして、王様が話を引き継ぐ。
「と、いうわけで、いまだに怒っているのは一部の魔族だけだと思うんだよ。
先代魔王様も、現魔王様もそんな事を気にする器の小さい男じゃなさそうだし。第一、先代魔王様はカコに謝罪さえしてくださっているんだ。あの頃は、妻を放ったまま自由に生きすぎた。申し訳ないってね。」
うわぁ、ジュンさんっぽいなぁ!そう、自分の非も認める器の大きいいい男なんだよ。自由奔放だけども。
多分、ジュンさんは自分の崇拝者の一部の魔族が、人族にそんな事をしてるって知らないんじゃないかな?で、キョウは長に探らせて知ってるけど、別に興味がないから放ったらかしてるって感じ?
「だから、直接現魔王様か、先代魔王様にお会いしてお願いすれば、国交を回復させられるんじゃないかと思ってね?
だが、普通の人間では話も聞いてもらえないだろう?そこで精霊契約者なんだ。我が息子のユイがそうであるから思い付いたんだが・・普通、精霊は上位魔族としか契約しない。なのにその精霊と契約している人間だったら少しは興味を持って話を聞いてくださるんじゃないかと思ってね。ユイを大使として行かせようと思ったんだ。
だが、ユイ一人だけだと心許ないから、どこかに人族の精霊契約者がいないかと探していたんだよ。精霊と契約出来る程の人間が悪い人物であるわけないし、それだけで勇者と言って良いだろう。
アスラ殿、どうか勇者となり、ユイと一緒に魔王様に会いに行ってくださらないか?」
うーん、予想通り過ぎるし、話がトントン拍子に進んで行くな。全然いいけど。
「いいですよ。ただ条件があります。行くのは俺とユイ王子だけ。護衛は要りません。ぞろぞろ護衛を連れて行ったら会ってもらえない気がするんですよね。
一応、俺もAランクの魔物くらいなら一人で倒せますから、何とかなると思います。
ユイ王子、それでもいいですか?それと、憑依は出来ます?」
「はい!それで結構です。アスラ様、二人で参りましょう。もちろん憑依は出来ますよ。」
「なら、空を飛んで行けますからかなり楽ですね。国王様、王妃様、いかがでしょうか?」
「・・・ああ、そうだね。正直不安だが、二人で空を飛んで行った方が道中は安全だろう。魔王城に着いたら例え護衛が百人いた所で魔王様には敵わないだろうからね。そう考えると二人の方が話を聞いてもらいやすいかも知れない。戦いに行くわけじゃなく、大使として話し合いに行くんだからね。
いいね?カコ?」
「はい・・不安ですが、ユイとアスラ様を信じます。」
よっしゃ!!絶対にユイくんと二人の方が良かったから認めてもらえて助かった。後は俺とユイくんの魅力次第だなっ!魔王様と長が前世のままなら、大丈夫なはずっ!!!
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