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魔王城6*

 ユイくんとのランチ会ですごい事を聞いてしまった。 部屋に戻ってゆっくりしてるんだけど、何かリイをめちゃくちゃ意識してしまうよっ!! 「・・・リイは嫌じゃないの?」 「僕は・・・アスリイになってしまえば、それはもうアスリイだから僕の意思はあんまし関係ないって言うか・・・」 「じゃあ今のリイは?嫌じゃないの?」 「精霊はね、自分が好意を持った者と繋がる事にあんまり抵抗がないんだ。じゃないと憑依とか出来ないと思わない? だから、精神的でも肉体的でもアスラや魔王様と繋がる事は別に嫌じゃない。」 「そういうもんかぁ~!!」 ガチャ。扉が開く。 黒いジャガーの耳と尻尾、背中には漆黒の巨大な翼。完璧な美を持つ雄・・・ぐっ?!キョウレイ??!!! 「オレのアスリイはどこかな?」 「い、いやいやいや、ちょっと待って?何で?!さっきの話聞いてたの??!」 「心を許した精霊同士はお互いにずっと繋がっていられるからな。リイの話した事はレイが分かる。」 聞いてないよっ??!!! 「ほら、早くアスリイになれ。」 「えぇっ?!ヤルためだけに憑依するのはちょっと・・・」 「なら、手合わせをしてやろうか?アスもこのままだと体が鈍るだろう。」 「キョウレイとっ?!う~ん、確かに体は鈍ってるかも・・・」 「よし、ほら外に行くぞ。オレもアスリイがどれだけ自分の身を守れるか見ておきたいしな。」  外に連れ出された俺。外って言ってもバカ広い魔王城の庭の端っこだけど。 んじゃ、やるか! 「リイ、憑依。初っ端からアスリイで。」 「りょ」 おっ、ちょっと返事が長いw お馴染みの感覚が体中の血を滾らせる。背中を破った翼を解放し、完全に伸ばしきってからバッサバッサと羽ばたいてみる。猫耳と尻尾も完了。ゆっくりと目を開く。 「ほう?想像以上だ。最高だな!いいね。組み伏せたくなる。」 舌舐めずりをしているキョウレイ。正直、威圧で尻尾を丸め込んでしまいそうだ。だが、アスリイもなかなか好戦的なんだよっ!身体強化をかけてキョウレイに突っ込む。 先手必勝!真正面から踏み込んで行き、上段刻み突き!からの上段逆突き!そしてすかさず上段回し蹴り!! 難無くすべてを片手で受け止めるキョウレイ。 俺は、クルッと空中で一回転して更に首筋目掛け後ろ回し蹴りを叩き込む。 「うん、なかなかいい蹴りだな。Aクラスの魔物なら一撃で倒せそうだ。」 余裕で避けるキョウレイに裏拳を打ち込む。くっそっ!手を掴まれた。掴んでいる手に手刀を打ち込むも、離してくれないので、噛み付いてやった。 「ほう?俺に血を流させるとは!誇っていいぞ?!まぁ、お前以外に噛み付かせる事はないがな。」 キョウレイの血が付いた唇をペロリと舐める。あぁ、なんて美味いんだ・・・恍惚となる俺。俺の体中の血が滾って仕方がない。 キョウレイに突進して行き、自分が出せるだけの技を繰り出す。軽々と避けるキョウレイに擦りもしないが、構うもんか。自分の衝動が抑えられず、ひたすら攻撃を続けた。 どれくらい時間が経ったんだろう。おれの体力の限界が来て、地面に倒れ込む。 それを漆黒の翼をはためかせ、空から見下ろすキョウレイ。あぁ、なんて雄々しくて美しいんだろう・・・漆黒の翼が似合いすぎて魔王なのに神々しい。 圧倒的な強者のオーラに服従したくなってしまう。 キョウレイに抱かれたい・・・ むちゃくちゃに犯されないとこの興奮はおさまらない気がする。 「どうしたアスリイ。オレにどうされたい?」 「・・・抱かれたい・・・むちゃくちゃに抱いて欲しいっ!!」 キョウレイはニヤリと笑い俺を横抱きにし、自分の寝室へと瞬間移動した。 お互いに噛み付きあうような深いキス。 口の端から唾液が溢れ落ちるが気にせず貪り合う。 キョウレイは、牙が生えた口で俺の頸や翼の付け根を甘噛みして行く。あぁ、俺、本当に捕食されそうだ・・恐怖感はない。寧ろ食べられたい。期待で尻尾がゆらゆらと揺れてしまう。 尻尾の付け根を噛まれた瞬間、俺のモノは完全に勃ち上がり、たらたらと涎を流し始めた。 後ろから俺の背面のあらゆる部分を甘噛みしながら前に手をまわし、乳首をコリコリと指で弄んでいるキョウレイに堪らず懇願する。 「頼むから俺のモノを触って!もう辛い・・・」 「そんなに興奮したのか?そうだなぁ、触ってやってもいいが、せっかくの憑依状態なんだから、まずは精神的にイカせてやるよ。」 そう言ってキョウレイは自分の尻尾を俺の尻尾に絡め、頭を猫耳ごと撫でながらキスをして来た。大量の唾液を流し込まれ、それをごくりと飲み込んだ瞬間、ぶわりと全身の毛が逆立つ。 何だこれ? キョウレイの意識が俺の中に流れ込んで来る。強者による圧倒的な支配と共に、これ以上なく愛され慈しまれている感覚が体中を駆け巡る。 そしてそこには明らかに性的な感情が混じっており、キョウレイの意識がアスリイの心をくまなく愛撫していく。 まるで、アスリイという人格がキョウレイに犯されているようだった。 あぁ、これが精神的な交わりか・・果てしなく気持ちいい・・・ 気が付けば俺は吐精していた・・・

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