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第4話

「ランディまだかな…」 「遅いよね…」 双子がソワソワしながら外に出て、首を長くして待っている。あの日からずっと、ランディはリーラの家に通い、必ず色々な物を持ってきてくれていた。リーラ達と同じように、村中の人々にも配っている姿を目にする。 山からの鉄砲水で被害にあった畑など、 荒れた場所の手伝いもしているようで、裏のルキおじさんやその周りからは「ランディは仕事が早い。なんでもやってくれるから、おかげで元に戻った。助かってるよ」と感謝の声が上がっていた。双子も、「力持ちなんだよ」と自慢げに話をしている。 (やっぱり、騎士さんなのかな…) 「きた!」 「ランディー!」 愛馬のライズに跨り勢いよく走ってくる。左手は治ってきているようだった。リーラはそれを見て安心する。 「アル、ネロ。今日はこれ持ってきたぞ。リーラには、これな」 そう言って双子には甘い砂糖菓子を、リーラには、つばの広い帽子を渡す。 双子は喜びながらランディに纏わりついている。 「えっ?ランディ、これ…」 「リーラは肌が白いだろ。畑に出たり、近所の婆さんとこに行ったりすると、日に焼ける。だからこれ、被っておけ」 自分の行動を見られていたのかと、リーラは恥ずかしくなった。 しかし、この帽子なぜか貴族が被るようなふんわりとしたもので、舞踏会で女性が被るようなものだなと思う。ちょっと場違いなものでリーラは首を傾げているが、ランディは気にすることなく、「ほら」と言いリーラに被せる。 「うん。似合う」 ランディは満足そうに頷き、 「かわいい。リーラかわいい」 と、双子もはしゃいでいる。 リーラは恥ずかしさから赤面してしまうが、 嫌な気はしなかった。 ここ一か月ランディは、毎日ライズに乗り村に来てくれていて、村中の問題を少しづつ解決し、双子とも遊んでくれている。そんなランディに、リーラも双子も完全に心を許し始めていた。 「今日は泊まってもいいか」とランディに聞かれ、「もちろん」と答えるくらい仲良くなっていた。今日はランディが泊まる日と知り、双子は大興奮しランディに一緒に寝ようと誘っている。 成人男性のリーラではあるが、体は細く背もそれほど高くは無い。なので、いつもリーラとネロ、アルの三人一緒にベッドで寝ているが、そこに大きな体の男であるランディが加わると、途端ベッドが小さくなり、みんなで肩を寄せ合う。それも面白いのか双子はクスクス笑い中々寝ない。 「ランディ…寝ている間に帰らないで」 「起きても、いてね…」 ベッドの中でひとしきり遊び、なんとかそこまで言うことが出来たのが限界で、やっと眠りについた。 「二人共やっと寝たな。リーラ、少し話をしよう」そう言うと、ランディはリーラをダイニングに誘った。 「紅茶入れますね」リーラがキッチンから紅茶を運ぶと、楽しそうな顔でランディがこっちを見ていて、目があった。 「なんですか?」 「いや、あいつらに随分好かれたなと思って」 「そうですね。最近はイタズラが増えましたよね」 双子はなんとかランディが帰らないようにと、靴を隠したり、外に出られないようにと日々、色々と知恵を絞っている。その度、ネロとアルはリーラに怒られ、それを見てランディは笑っている毎日であった。 「あれくらい元気でいいだろう」 「そうでしょうか…もう、最近は本当にランディに帰って欲しくないってそればっかりで。すいません迷惑かけてますよね」 「いや、全然迷惑でもないし、嫌じゃないんだよな。俺、子供苦手だったのに。あいつらは本当にかわいい。まあ、あいつらだけじゃないけどな…」 「ん?」 ランディとまた目が合った。なんだか急に部屋の温度が上がった気がしたが、気のせいかとリーラは思い直す。 「それより、ネロとアルの力のことだけどな」と、ランディが話し始め、リーラに緊張が走った。

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