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第70話

「大丈夫ですか?」 「はい。 けど首藤さん、また勃ってる……。」 「あぁ、これは気にしないでください。 さすがに今日はもうしないですよ。 休んでてください。俺夜ご飯作るんで。」 「やだ。まだ抜かないでください。」 お尻に入っているものを抜かれそうになって、足でそれを阻止する。 「いやそれはちょっと……。 ゴム破れてもあれなんで。」 「別に妊娠するわけでもないしいいですよ。」 「お腹壊すらしいんで、よくないです。」 「あとちょっとだけ。」 「わかりました。」 少しだけですよ、と合意してくれた首藤さんは再び抱きしめてくれる。 「ありがとうございます。 俺こんなに満たされるの初めてで、……この幸せがなくなるのが怖いんです。」 「なくなったりしませんよ。」 そう言って頭を撫でながら、おでこやほっぺにキスしてくれる。 「でもやっぱり慣れとか、あると思うし、そうなったら俺、可愛いって思われなくなるかもだし、今がいちばん幸せかもしれないじゃないですか。」 「いやいや、天宮さんの可愛さには慣れませんよ。ほら、俺まだドキドキしてるし。 きっとずっと、何回触れても毎回ドキドキしてると思います。」 「嘘だ。」 「本当ですよ。一生かけて証明します。」 「……はい。」 俺も多分、何度触られてもドキドキするし、恥ずかしくなってしまうんだろうな。 俺は首藤さんの腰に回していた足を退ける。 軽いキスをされたあと、首藤さんのモノが出ていく。 「……お腹すきましたね。」 「なにか作りますよ。何食べますか?」 「首藤さんの得意料理は何ですか?」 「んー、なんだろ。煮物? 和食を良く作るので、あとは味噌汁とか。」 「首藤さんの好きな感じの夕食が食べたいです。」 「わかりました。 じゃあこの家は相変わらず何も無いので買い物に行ってきますね。」 「俺も行きます。」 「無理しないでください。」 「大丈夫ですよ。まあまだ異物感はあるし、腰も痛いけど……。」 「すみません。」 「んーん。これも幸せです。」 「……可愛すぎてもっかい抱きたい。」 「今日は無理です!いろいろと疲れました。」 「わかってますよ。 本当に一緒に行ってくれるんですか?買い物。」 「はい。首藤さんには及びませんが、俺もまあ伊達にガタイがいいわけじゃないですからね。」 「そうですよね。 でも無理しないでくださいね。俺ちょっと最後の方やり過ぎたかなって思うし……。」 「大丈夫ですよ。俺で興奮してくれるのも、余裕ない姿が見られたのも、嬉しかったので。」 「……もう可愛いこと言うのやめてもらっていいですか。これ以上無理させるつもりないので。」 「あ、はい。 じゃあシャワー浴びてきます。」 「俺は御手洗に……。」

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