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第77話
俺は首藤さんのモノに手を伸ばす。
そっと握ると熱と脈を感じる。
俺自身にも同じモノがあるはずなのに、なぜかすごく愛おしいものに思える。
ゆっくりと手を動かせば、首藤さんの口からは吐息が漏れる。
「……フェラしたい。」
特に意識するでもなく、その言葉をなんとなく口にしていた。
「いいよ、きいちがしたいなら。」
いつもの優しい笑顔に若干の色気を含んだ顔で、俺の唇を指でなぞる。
俺はその顔を見つめながら、手で握っているそれに顔を近づけていく。
まずはそっと先っぽにキスをして、ソフトクリームを舐めるように先から根本に向けて舌を這わす。
それを何往復かした後、もっと良くしたくて口に咥えてみる。
大きくて根本までは無理だけど。
「ッ…無理しないでね。」
その言葉に頷いて、俺はゆっくりと頭を動かす。
気持ちよさそうに度々息を漏らしながら、俺の頭を撫でる首藤さんを上目遣いで見ていると、俺の方も気持ちが昂ってきて、気づけば早く動かしていた。
「……っ、きいち、出るから、離して。」
頭を掴んで離される。
口が離れたと思った瞬間、俺の顔に白濁したものが飛んでくる。
「はっ……、あ、ごめん!きいち。」
すぐにしゃがんで俺の顔を手で拭う。
「ううん、嬉しい。
したことなかったから不安だったけど、ちゃんと気持ちよくできたみたいでよかった。」
「気持ちよかったよ、ありがとう。
それにきいちが自分のモノ咥えてるってだけで最高に興奮した。
それより目に入ったりしてない?大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
「よかった。
はい、じゃあ目瞑って。顔洗おう。」
「ん。」
再びされるがままに洗われる。
そのまま座っていれば体も拭いてくれて、スウェットを着せてくれる。
「首に腕回して。」
そして先ほどと同じようにベッドまで運んでくれた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。
喉乾いてるよね。水持ってくるね。」
「うん。」
「はい。」
「ありがとう。」
ベッドの上で壁にもたれかかって座る俺に水を渡して、首藤さんはドライヤーをもってきて、髪を乾かしてくれる。
俺も首藤さんに何かしたいな。
でも今思いつくので喜びそうなのは、俺が何かするっていうよりもこれだと思う。
「また塗ってもらってもいい?クリーム。
今度は背中以外も。」
「……もちろん。」
驚いた顔のあと、とても嬉しそうな顔で頷く。
さっき着せてもらったばかりの服を脱がされて、まずは腕からクリームを塗られる。
けど触られたら無意識に反応してしまうわけで……。
「……ん、」
「きいち、あんま可愛い声出さないで。興奮する。」
「ごめん。でも首藤さんに触られると声出ちゃう……。
……塞いで?」
「……喜んで。」
もう既に興奮しているであろう顔でキスされる。
その間も首藤さんの手は俺の体にクリームを塗ってくれている。
「はい、終わり。
さ、もう寝よう。またしたくなりそうだし。」
「……お願いしないほうが良かった?」
「そんなわけないよ。
今日はたくさん触れて嬉しい。ありがとう。」
「よかった。」
首藤さんに後ろから抱きしめられる形で、一緒に狭いベッドに横になる。
「きいちは明日何したい?」
「んー、首藤さんの好きな事したい。
いつも俺に合わせてもらってばかりだし。」
「じゃあきいちの体が大丈夫そうなら、手繋いで買い物したい。」
「欲しいものあるの?」
「うん。調理器具を少しね。きいちがよかったら、ここのもの少し増やしたい。」
これからも頻繁に来てくれるということだろうか。
「もちろんいいよ。むしろ嬉しい。」
「よかった。
じゃあ今日はもうゆっくり休んで。おやすみ。」
「おやすみ。」
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