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俺はキミのペット ♡

 要と知り合ったのは、たまたま仕事の打ち合わせで某TV局に顔を出した時だ。彼の所属するグループの冠番組が一新することになり、友人の伝手でその番組のイメージキャラクター画の選考に俺の描いた画も見てもらえることになって……。なんとか最終選考まで残り、その番組の美術スタッフと話をしていたら気軽に声をかけてきてくれたのが潤だった。  俺が持参していた画を見て「お!いいじゃん。俺、これ好きだわ!」と言ってくれたのがきっかけ。この彼の一声で俺の画が決まれば良かったんだけど……人生なんて、そう上手くはいかねぇ。ま、その辺りは30年近く生きてりゃ重々承知してるし、さほど落ち込むこともなかったが……彼の方が気にしたみたいで。  後日、スタッフから俺の連絡先を聞き彼から直接電話をもらい、何故か二人で飲みに行くことになった時には流石に俺も驚いたけど、そん時の飲み会でなんか意気投合しちまって……月に一度ほど二人で飲むようになった。  要は某アイドルグループの一人。俺はしがないフリーのイラストレーター。なんで、俺なんかと?って思っちまう。傍から見れば真逆の俺等……。けど……要に言わせると、考えが違うから楽しく酒が飲めるらしい。なんだよ、それ!って感じだが、それは俺も同じで……何故か要とは楽しく酒が飲めた。多分……お互いに違うもんを持ってっから、意見交換?……ん?違うか……互いに新しい発見が出来て面白いのかも。  普段、口数がすくなく喋りもそう得意じゃない俺だから、友人って言っても限られてくる。そん中でも要はアイドルの癖に俺に気を遣うような奴で……。あ、言葉ではきついこと言ってくんだけどね。なんか……こう……エスコートしてくれるって言うの?それが……俺にとって居心地が良かったんだと思う。  事務所兼自宅みたいな感じで都心の1LDKで細々と友人の伝手を借りながら、フリーでイラストの仕事をやってんだけど……それだけで食えるほど世の中上手くできちゃいねぇ。で、仕方なく……って違うか、趣味と実益を兼ねてになるのかなぁ?AVの仕事もしてる。男性相手の……。つまり、俺はそっち系の人間ってわけ。そのことを……つい酔った勢いで言っちまったんだよなぁ……要に。で、驚くかな?と思ってたら、意外な言葉が返ってきてこっちが驚いちまった。  「俺、あんたなら男でもいけるかも?」  そこで止めときゃ良かったのに、俺も酔った勢いで言っちまったんだよなぁ。「じゃ、確かめてみっか?」って。その俺の悪ふざけに、まさか要が乗っかってくるとは思ってもみなかったし、「なら、今すぐ確かめるか!」なんて言ってくるとは思ってもみなくって。気づいたらバーから出て夜なのにネオンで明るい道を、男二人して手を繋いで歩いてた。  要に握られた手があちぃ。しこたま酒飲んだせいもあんだろうけど。「ホテル行く?」って俺の手を握ったまま、隣を歩くこいつより少し小っちぇ俺の顔を覗き込まれて、俺は恥じくて……俯いちまったらそれでスイッチでも入ったのか「あんた、可愛い」とか言ってきやがった。  要は一応、キャップ帽を目深に被り、眼鏡をかけて変装はしてっけど……流石にアイドルをホテルなんて連れ込めねぇじゃん。この要のノリに「さっきのはジョークだって」とはもう言えそうにねぇし。こうなったらヤルか!って心を決めた俺。要ってば俺好みの顔してっしな。そっちから食ってくれるって言ってんだ、それなら食ってもらおうじゃん。俺は腹を括って?自宅に要を誘った。  部屋に着くなり、酔ってからか、この状況にノリノリなのか、わかんねぇけど……要から俺に抱きついてきて、まだ互いに靴も脱いでねぇのにキスをされた。要のセクシーな唇が俺の唇を覆う。噛み付くみてぇに。男なんて初めてだろうに……コイツもこっちの人間なのか?って思っちまう。それくらい男の俺の唇を抵抗なく楽しんでる要。  唇が一瞬離れたかな?と思ったら「口開けてよ」と言われ、大人しくそれに従ったらヌルッと開けた咥内に舌が入り込んできた。上顎を舌で何度もなぞられ、こっちがその道のプロのはずなのに、フェラするみてぇに舌を絡めとられ吸われたら……不覚にも腰が砕けちまった。わなわなと座りこんでしまいそうになる俺を筋肉質な両腕でしっかりとホールドされちまって、逃げようにも逃げらんねぇ。クソッ!なんだよ、コイツ!ムカついたから、調子に乗って動く舌を軽く噛んでやった。  「……ッ、痛ぇじゃん!」  これで唇は離れたけど、腰を抱いた両腕は離してくんねぇんだよな……だから  「ガッつくなって。男同士でヤルには色々前準備があんの!」  そう言って俺は要の腕からなんとか抜け出し、シャワールームに向かった。要にはリビングで待つように言って。  キスだけでギチギチになったソレがジーンズを押し上げて痛い。ここんとこ、そっちの仕事もなかったし、ご無沙汰だったのもある。けど……アイツ、上手すぎなんだよ、キスが!アイドルのくせに……。あんな綺麗な顔してるくせに……なんだよ、もうっ!  俺は左手で尻の割れ目を押し開くようにし、きつめに設定したシャワーを後孔に宛て、今から使用する場所を念入り洗い流す。男が初めての奴に抱かれるんだ。要に不快感は与えたくねぇしな……何より、マナーだ、マナー。  何時も以上に丁寧にシャワーヘッドをソコに押し付けて洗うと、それだけでギチギチに膨れ上がったソレは先端から露を零す。このまま出て行って要に余裕のないとこ見せんのも恥じぃよ……な。一瞬、迷ったけど、尻にあてていたシャワーを壁にかけ、俺は切なく露を零すソレを上下に扱いた。クチュクチュと先走りで濡れた掌がやらしい音をたてる。  これから抱かれるって言うのに俺……ひとりで何やってんだろ?そう思っちまう。けど……やっぱ、このままで要に抱かれて、直ぐにイっちまうなんて……そんな痴態見せられねぇし。そう、頭の中で言い訳しながら、さっき要に絡められた舌を思い出しながら、俺は扱いてる掌の動きをはやめた。  ギチギチだったのも手伝ってか、数回強めに扱きながらはち切れそうになってる亀頭に軽く爪をたてると、鈴口から勢いよく白濁が飛び出し浴槽のタイルにポタポタと落ちる。それがシャワーから流れる湯に混じって排水溝に流れて行くの見ながら、俺は荒くなった息を整え、もう一度、頭から熱めのシャワーを浴びた。  一度出してスッキリしたものの……気だるさは半端ねぇ。ああ、俺……これから一戦いけっかなぁ。俺はバスタオルで濡れた身体を拭きながら考える。これからヤルってシャワー浴びたのに、パンツはいて、服着ていくのもなんか滑稽だよ……な。ちょっと悩んだものの俺は、腰にバスタオルだけ巻きつけてノーパンでリビングに向かう。  うわっ、俺……これじゃヤル気満々みてぇか?とりあえず照れ隠しに、タオルで濡れた髪をゴシゴシ拭きながらリビングのドアを開けた。  「要もシャワー浴び……る……」  俺の声が、ギュッと抱きしめられた要の胸の中に消える。おい、待て……反則だろ?リビングのドアの前で立ってるなんて。そう言ってやろうと思ったのに……キスで口を塞がれて言えねぇ。軽く触れ合うだけのキスに、さっき出したばっかのソレが反応する。  チュッとリップ音をたてて離れた唇が「ベッドはどこ?」って訊いてくる。それに「あっち」と指をさせば、「あっそ」って所謂お姫さま抱っこされて……。俺はリビングに隣接した寝室に連れて行かれ、ベッドの上にそっと置かると……要がTシャツを脱ぎながら覆いかぶさってきた。  要は脱いだTシャツをベッドの下に放りなげると、腰に巻いたバスタオルに手が伸び、恥ずかしながらもう半勃ちしてるソレに気づいて「もしかして、パンツはいてない?」ってからかってきやがった。その言葉に顔が火照る。同時に半勃ちしてるそれも熱り、完全に勃ちあがってしまった。俺、こう言うの弱いんだよなぁ。煽られると腰にくる……たまんねぇ。  我慢できなくなった俺から今度はキスをしかける。とびっきり濃厚なヤツを。覆いかぶさってる要の首に腕を回し引き寄せ、そんでぶつかるようにキス。何度も角度をかえながら俺の唇で要の唇を抉じ開け、先ずは歯列を舐めて楽しむ。それに感じて息を洩らした瞬間を逃さず舌を挿し込み、驚いて縮こまった舌を最初はノックするみてぇに軽く舐める。したら段々と要もノッてきて俺の舌に自分の舌を絡めてきたから、その舌をきつく吸ってやれば……肌蹴たバスタオルの下で息衝く塊にジーンズを押し上げる要の熱を感じて。吸い付いていた唇を解放してやってクスッと笑い「要も感じてんの?」って言ってやる。ここは経験者の俺がリードしてやるつもりで。なのに……また、俺はやられちまう。  「俺、やっぱあんたなら男でもいけるわ」って笑った要に、腰にかろうじて巻きついてたバスタオルを剥ぎ取られ、完勃ちしたせいでギュッと上にあがった嚢をグッと揉まれたかと思うと、同性同士だからか、勝手知ったる何とやらなのか、わかんねぇけど……竿を上下に扱かれ、俺の弱い先端部分を指先で刺激されちまうと、さっき風呂場で一度出したのに  「あっ……あぁ……はぁ……ん、や……っ」  「拓斗、気持ちイイ?」  「やっ……きくな……よ、そん、な……あぁっ」  堪え性のないソレは呆気なくイっちまった。だって……ものすげぇエロい目で要が俺を見てんだもん。男の癖にセクシーな唇で要が俺の名前呼んでだもん。ソコに与えられた刺激だけじゃなくて、視覚も聴覚もヤラれちまって。もう、俺は……カラダだけじゃなく、頭ん中もグズグズに蕩けてって。  「イちゃったね」  極上のアイドルスマイルで言われて、カーッと顔に血が上る。  「これから、如何すんの?男同士ってアソコ使うんでしょ?」  コレも極上のアイドルスマイルで、しかも覗き込むように見つめて、目の前にあるエロい唇で言うんだ。爽やかな笑顔とは裏腹なエロヴォイスを耳が拾えば腰にきちまって……イッたばっかなのに萎えることなく反応し始める俺のソレ。恥じぃ……。絶対、要も気づいてるよなぁ……。  俺はのし掛かってる要を押し退けて「要も脱げよ」とだけ言って、サイドボードの引き出しを開けて中を漁る。あ……あった。手に触れたローションを取り出し、ジーンズを脱いでる要が見える場所に置く。  「何、それ?」  「男同士でヤル時の必需品」  「へぇ……」  「男は女みてぇに濡れねぇから」  「そうなの?」  「腸液もでないわけじゃねぇけど……そんだけじゃたんねぇし……挿れられる俺もだけど、挿れる要もコレないときちぃと思うよ」  ボトルの蓋を開けながら言うと「そんなもんなの?」とどうでもいいような返事。これだから初心者はなぁ……。女にしか突っ込んだことしかねぇ奴にはわかんねぇだろうけど。こんなんでコイツ……最後まで行けんのかぁ?ちょっと不安になる。なのに……また、俺はやられちまう。  全裸になった要が「それ貸して」とローションを俺から奪うと「じゃ、行きますか?」って、俺をうつ伏せにして腰だけ高く持ち上げ、尻の割れ目めがけてローションを垂らした。  「ちょ……冷てぇ……って」  「え?」  「ソレ……普通は掌に出してあっためてから使うもんなの」  指摘してやったら悪びれた風もなく「ごめん」とだけ口で言って、ローションでグチュグチュになったソコを指で行ったり来たりして遊ぶ要。俺はその指の動きに感じて「あんっ……」て唇から零すと「いきなりは突っ込めないんだよね?」なんて、耳朶スレスレのとこにあのエロヴォイスで囁かれて……たまんねぇ……。ズクンと腰に大きな痺れが走った。  「指挿れて……って、要……出来っか?嫌なら俺が……」  そこまで言うと「大丈夫」と囁かれて、耳朶を噛まれ「やんっ……」て抵抗するといきなり指が突っ込まれた。その衝撃で仰け反る背中。それが要を煽ったのか、突っ込まれた指が内壁を抉るみてぇな動きになって、中を掻きまわす。  コイツも男だから多分……前立腺の存在くらいは知ってんだろう。中で蠢く指がそれを探すような動きに変わって「ここ?違う?」って耳元で囁く。ああ……たまんねぇ……。俺、要の声が好きだ。この声だけでイけそう……なんて感じ入ってたら  「ああ……っ」  見事、その在り処見つけ出した要が突っ込んだ指の爪で押し潰すように引っ掻いて、何時の間にかニ本に増やされた指で何度もソコばっか刺激を与えてくるからイきそうになっちまって……。俺は慌ててシーツにだらしなく露を零すソレの根元をギュッと自分の手で握って、溢れ出しそうになる白濁を塞き止めた。  「なあ……もう……挿れ、て……」  切なげに強請れば要は鼻で笑って「このまま突っ込む?ゴムする?」なんて訊いてきやがる。だから……  「俺、病気……持ってねぇから……要は?要もねぇなら……生がいい」  そう言えば「了解!」と言ったかと思うと俺の腰を掴み引き寄せ、宛がったモノで一気に奥を貫いた。指じゃ届かなかった奥に熱い杭がグッと挿し込まれ、腹ん中がおかしくなりそうなのに、それがたまんなく気持いい。挿し込まれた杭が出入りする度に「あぁ……んっ、はぁぁん」と俺の唇から勝手に漏れる喘ぎ声。要は要で「あんたの中、ギチギチ……あったけぇし……最高」とかなんとか言ってる。  男は初めての癖に、前立腺を的確に押し潰すようにして腰をスライドする要。奥をグリグリと掻き回すような動きに、意識もしてねぇのにキュッと締めちまう俺。  「ちょ……締めすぎだって。動けねぇじゃん」  言われれば……なんか嬉しくって。更にキュッと締めちまって。したらケツを割り広げられて、要を咥え込んでるソコを露にされ「あんたのココ……」って指で穴の周りを指でなぞりながら「俺の上手そうに咥えてる……」と言うか言わないかで奥を突いてたソレを一気に抜か「え?」って俺が首だけで振り返れば栓を失いヒクつく穴を凝視する要が「女みてぇ……ポッカリ穴あいて……ピンク色してんだ……俺……癖になりそう」とか何とか言ったかと思うと、うつ伏せだった俺を仰向けに態勢を変え「今度はあんたの顔見ながら突っ込みたい」って。何だよ、それ……やめろよ、反則技じゃん。そんなこと……言うなよ……一回だけって思ってんのに……俺も要の顔見ながらヤりてぇ……そう言いそうになって慌てて唇を噛み締める。  こんなノリでヤッてる行為に意味なんかねぇんだから。要だって……コイツだって、熱にヤられて言ってるだけなんだから。そう思ったけど……膝裏に腕を差し込まれ、折りたたまれるようにして中を掻き回されたらもう……何も考えられなくなっちまって。  イイとこを掠めて突かれれば「はぁぁん」鼻腔を擽るような甘ったるい声をあげ、奥を貫くように激しく突かれれば「あ……あっ……ああっ」と短く息を吐き出すだけの声をあげ、膝裏に差し込まれていた腕が抜かれ、左右に大きく開けさせられた脚の腿をベッドに縫い付けられるように両手で押さえ込まれ、要がラストスパートをかけるように腸壁を抉りながら抜き挿しされる頃には俺は要がイくのを待たず、腹の上に白濁を撒き散らしていた。  潤が俺の中で果てる瞬間「女よかイイ……って言うか、あんた……良すぎ……っ」その言葉にカラダ中を駆け巡る快感に酔いしれながら、心ん中まで満たされていく気がした。  ノリで始まったセックスが終わって、互いに荒い息を吐き、疲れた四肢を投げ出しベッドに寝転がる。息が整ってくると俺は腹の上と中の精液が気持ち悪くなってきて……とりあえず、ティッシュで自分が汚したもんだけ拭き取ると、シャワーを浴びようとカラダを起せば急に要に抱きつかれちまって、態勢を崩して要の胸の中に飛び込むみてぇに倒れた。  そんな俺を潤の両腕がギュッと抱きしめて  「俺……あんたに嵌っちまったかも。あんたが他の男に抱かれんの、なんか……嫌だ」  なんて……駄々を捏ねるみてぇに言ったかと思えば  「あんた、イラストレーターだけじゃ食えねぇからAVの仕事やってんだろ?なら……俺があんたを食わせてやるから……」  そんな大人な発言しやがった後に  「なぁ……俺のペットになんねぇ?」  俺の耳朶に唇を寄せて囁く要。俺は反射的にそれにコクリと頷いちまってた。酔った勢いで始めたセックスだったのに……。ノリだけで始めたセックスだったのに……。まさかたった一回で本気になっちまうなんて……笑っちまうけど……きっと、こうなるように決まってたんじゃね?これは必然ってヤツだよ!なんて勝手に言いように考えちまう俺はいい加減な奴かもしんねぇなぁ。  この日からただの飲み仲間だった要と俺が飼い主とペットの関係になったのは言うまでもない。だって……俺は要の提案に頷いちまったし。それよか……女以外に男もOKになっちまった要が俺以外のヤローを抱くのなんか想像したくもねぇし、後ろの穴使うんなら俺だけのにしてて欲しじゃん?それが……俺が要のペットになった一番の理由だ。

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