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「ふ、っ……ン、はぁ……んっ」
ときどき、守屋はふいに指を引き抜こうとするから、ちゅっとか、ぷちゅっ――なんて、粘着質な音が聞こえてくる。音だけでエロいその刺激に、恥ずかしさを越えてくる快感に、閉じかける目で守屋を盗み見た。
守屋は意地の悪そうな目をして、俺のくちびると擦りあげる手の動きを見ている。
俺がこらえきれなくて吸いついたり、腰を浮かせてふるえたりすると、口許は満足そうに笑みを浮かべる。
そんな、顔で。こんなことしてる俺を見ないでほしい。
そんなふうに言ったら、守屋はもっと俺を見てくれるんだろうか――なんて、だいぶ思考がとけてきている……
「……ヨダレ、すごいたれてますよ」
言いながら、守屋はためらいなく指を引き抜いた。
「ん、ぇ……っ」
その指先から俺のくちびるまで、細い糸がつながる。たわんで滴る切れそうな糸を、恨めしく目でたどってしまう。
「は……ん、っ」
やだもっと……なんて、言えるわけなくて。こらえる分だけ、舌がせつなく濡れてくる。
「ほら……ちゃんと飲み込んでください」
「んく、っ……ふ、ぅ」
首すじをつたう唾液をすくった守屋は、また俺のくちびるへ指を差し入れる。
焦れて待っていた俺の舌と粘膜をあやすようになでまわして。くちゅくちゅ、音までいっしょに口の中でかき混ぜる。
意識していなくても大きく聞こえるその音に、満たされている自分と、もっと欲しがる自分を――嫌でも自覚させられる。
「ふぁ……ン、あっ……」
頭の中が、やわらかくトロけてきた……
目の前がじわじわ潤んで、焦点があわなくてぼやけてくる。ふさがれているはずなのに、口の中はもういっぱいのはずなのに。声も唾液も、ためいきも……あとからあとから止めどない。
すごい、気持ちいい……なんかもうダメだ。持ってかれる、ぜんぶ。守屋に、俺のことぜんぶ――
「だいぶ、ヨくなってきたみたいですね……イケそうですか?」
「ン……わ、かんない……っ」
「はやくイッておかないと、あとがつらいですよ? 最低でもあと2回はイッてもらいますから」
「――ふぇっ!?」
増やされた指のせいで不鮮明だけど、俺は悲鳴をあげた。
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