「ん、あぅ……お、俺っ、れす……ぅ、ンんっ」 　突き上げられる快感に真尋さんの腰がよじれて、上がっていく。だから今度は腰骨からつかんで引き戻す――というか、押しつける。またズリズリ上がっていくのを引き留めて、奥まで突く。 　それを繰り返して、粘着する音をたてながら何度も連打する。 「俺に敬語使っちゃうの？　そんなに欲しかった？」 「ン、あっ……ら、って……じ、らす……っから、あンっ」 　そのうち、引き戻さなくても真尋さんの粘膜はねっとり包むように吸いつきながら、俺の根本から先までを勝手に擦るようになった。 「ああ……ほんとだ。スゲェ締めつけ……抜けなくなりそ」 「ン、んっん、抜か、なくていいっ……ぬ、かないれ……っ」 「うん、抜いてあげない……そのまま自分で腰、振ってられる？」 「んっぁ、ふ……ふってらぇ、るっ、ぅんっ……ンっ」 　舌をからませたままだから、なのもあるが…… 　完全に思考がトロけているし焦点も合っていない。感覚の中の俺と快感だけを、真尋さんの身体は追っている。 　その――涙とヨダレでグズグズな顔と、からみついてくる熱いなかに、俺の理性の脆さを知る。 　「惚れたら負け」だとか、俺は前に言った気がするがこれはもう――完敗だ。 　夢中になっているそのくちびるは離さないままにしてあげて、思う存分振られている腰に合わせて、奥を突く。 「んっ、あっ、ぅン……きもちっ……んはぁ……あたって、るっ、なか……っ」 「ここ、グリグリする？」 「す、するっ……――あっあっ！ だめ、ひっ！……やっぱ、だ、め……っ」 「じゃあ……擦るのやめる？」 「ン、ンっ……だ、めじゃない、れす……もっと……こすっ、て……もっと……っ」 　懐柔されている条件反射なのか、真尋さんはまた素直に――敬語で――ねだってくるし。それに煽られている俺は敬語なんか捨てている。 　この関係逆転に征服感しかなくて、さらに興奮する。