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「真尋さん……まだするの?」
首に腕をまわされ、好きなだけくちびるに吸いつかれる。俺の腰にはがっちりと、脚が巻きついている。
その脚にぐぐっと催促するような力が入れられて、抜かずの2発目がじわじわ、はじまる。
真尋さんも大概だが、俺もすでにやる気だから自分であきれる。
「ん、する……まだ……もっと、する」
「俺、明日溺れるかもしれません……」
「ん、え……誓でも、溺れるの……?」
心配そうに見上げてくる顔に「誰のせいだ」とためいきをつきそうになるが、あきらめついでに白状する。
「まさか……溺れませんよ、あなた以外には」
やっと、いつも通りに顔を赤らめたと思った真尋さんは、
「……俺、おまえのそういうとこ、すき」
なんて、予想に反した顔をする。
「……真尋さんは、本当にズルいですね」
この人に“惚れた弱み”があるのなら、俺には“惚れられた強み”があるはず、なんだが……?
そこに関しては一枚も二枚も上手なこの人に、勝てる気も出し抜ける気もしない俺は、
「俺も、そんな真尋さんがだいすきです……」
柄にもなく――素直になる他ないと、思う。
_後日談2 wrapped around your little finger.
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