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プロローグ
*
その日、僕は自分の部屋にいた。
部屋のベッドの上でポスターすらない殺風景な天井を見上げながら、必死で声を押し殺して泣いていた。
その原因は、今は家にいない母と兄のこと。
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優しかった母は、ある日突然に僕と父を残して少しばかり歳の離れた兄と一緒に、家から出て行ってしまった。
僕にも父にも、別れの言葉さえ告げずに____。
あの日の朝、テーブルの上には父が一人で座っていた。その顔は、開かれた新聞のせいで見えなかったけれど、彼がいつも飲んでいるブラックコーヒーの湯気がたっていたのを覚えている。
母も、ブラックコーヒーを飲むのが日課なくらいに大好きだったのに。
その日は、ひとつだけテーブルの上に置かれていた。
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父が段々と壊れていったのは、その頃からだった。
まるで、硝子細工のように儚く――そして、どこか美しく。
僕が父の異変に気付いたのは、中学の時――正確には14歳のある日のことだった。自分の部屋でひっそりと泣いていた僕は、ドアがいつの間にか半開きになっていたことも音もなく父が部屋に入ってきたことにも気付けなかった。
ベッドの上に仰向けになりながら声を押し殺して泣き疲れていた僕は、いきなり上に父が覆い被さってきたことに気付いて驚いてしまった。
『何、父さん……重いよ。お願いだから、どいて?』
『お前……ずっと泣いていたんだろう?だから、父さんだけじゃなく、お前も寂しいんじゃないかと思って……ここに、きてあげたんだよ。いいかい、お前が悪いんだ……お前が……っ____父さんを誘っているから!!』
『ひっ…………!?』
僕が声にならない悲鳴をあげた後、父が乱暴に僕の服を脱がしてきたせいで、一糸纏わぬ生まれたままの姿にされてしまったのだ。
*
『や……っ……いやだ、やだってば……!!父さん、どうしちゃったの……何で、僕にこんな変なことするの____あっ……んうっ……はぁっ……やっ……』
それから父は、僕のあらわになった桃色の膨らみかけた乳首をひたすら弄んだ。
ふっくりと勃ち上がった乳首を舐められたり、吸われたりする度に厭らしい声が出てしまったのを今でも覚えている。
『いけない子だな、お前は。嘘はつくものじゃない……お前のここは、もうこんなにも濡れて反応しているじゃないか。感じているんだろう……もっと、もっと感じさせてやるよ』
優しい声色で、そう囁きかけてきた父は僕の下部にある半勃ちのペニスを触ってきた。
やがて、その行為は次第にエスカレートしていってそこを掴みしごいた。父のテクニックが上手かったせいで――僕のペニスの先端からは厭らしい音をたてて勢いよく白濁液が溢れ出していて床を汚してしまった。
すると、父は突然――僕のペニスをしごくのを止めてしまった。
『父さん……何で、止めちゃうの?』
『お前のここが汚れてしまったから、綺麗にしてあげようと思ってね……お前は母さんや明と違って、いい子だから分かるよな?』
『…………うん』
そして、父は僕のペニスを咥えると丁寧に舐め始めた。
ここまでくると、もはや僕の口からは厭らしい喘ぎ声しか出せなくなっていた。
すると、いきなり父はズボンを脱いで僕へ言ってきた。
『お前ばかり気持ちよくなって感じているのは……不公平というものだ。だから、お前も父さんの真似をしなさい。父さんが言っていることは分かるね、悠也?』
父は、ペニスを半開きになっている僕の口に無理やり捩じ込んできた。
あまりの大きさに、えづきそうになったけど、僕は必死で父の真似をした。
そう、学校で勉強や体育をするのと同じように一生懸命に____。
『うっ……いいぞ、悠也……流石は私の子だ……よし、そのまま口を開けていなさい。下品で低俗な母さんのようになりたくないのなら、いいかい……そのまま____』
そう言うと、父は僕の口の中で射精した。
僕は父の大き過ぎるペニスの先端から勢いよく発射された白くてドロドロした液を何とか飲み込んだ。
まるで、ブラックコーヒーのように苦かった。
その後のことは、よく覚えてはいない。
確かなのは、この日以来――僕は父とこのような行為をし続けてきた。
中学二年生から高校一年生になってから暫くの間まで、この汚らわしい行為をし続けていたのだ。
高校一年生になってから暫くして、父が交通事故で亡くなってしまったのだが、この記憶は今も心の中に【傷痕】として残っている。
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