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第2話

「 「 あーーー!!!」」 二人同時に叫び、同時に正面を指差した。 両隣をきょろきょろ、ついでに目に止まったが、前の席の奴らもクラス中の全員の視線が俺に集中していることに気がついた。 「 「 見つけたーーー!!!」」 周りの視線も痛いが、俺?と自分を指差すと、二人は同時に何度も頷いた。 しつこいくらいに。 「 志垣の知り合いか?」 「 え?いや」 「 「 はい!そうです!」」 俺の目が、これでもかと開かれる。 知らないんだが、こんな双子。 「 「 隣がいいです!」」 そうして、何故か、双子二人の知り合い、として、俺の両側の席、左右の生徒は別の席へと移動となり、隣には左を見ても、右を見ても同じ笑顔....。 「 よろしくね!」 「 僕の方もよろしくね!」 「 ....ああ、うん....」 ....親の知り合いかなんかだろうか、それとも、兄貴? 「 教科書無いから、机くっ付けてい?」 両隣の二人がそれぞれ、机をくっ付け、俺を真ん中に教科書を三人で見る羽目になった...。 「 もっと、くっつかないと見えないー!」 「 僕もー!」 ベッタリと両側に真琴と三琴がくっつき、邪魔すぎて、授業に集中出来ない....。 「 あー....視力悪いの?双子、二人して」 暫く、同じ顔、同じ丸い目が俺を見上げ、無言だったが、 「 「 うん!」」 二人同時に笑顔で頷いた。 「 ....目が悪いのなら、前の席に変えてもらったら?」 「 「 それは嫌だ」」 双子二人同時の発言、て...圧が強いな。 まあ、俺も真ん前の席は苦手だから...心境はわからなくは無いが。 「 ほら、授業に集中しよっ、順平くん!」 「 そうそう、集中しよっ、順平くん!」 ....集中出来ないのは両隣に座る同じ顔の二人が俺にベッタリくっついて、教科書を覗き込むからなんだが....。 ....やむを得ない、か。 珍しく、俺は諦める、という手段を知った。

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