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第3話
「 ....順平。これ、どういうこと....?」
いつも別のクラスの圭と二人で昼休みは弁当を食べるのだが....俺の両隣にベッタリ座り、弁当をつつく、双子を見て、圭が怒り心頭のような顔で俺達を睨むように見る....。
高校生が恋愛なんて忌々しい、勉学に勤しむべきだ、という俺の意見に賛同してくれている圭からしたら、腹立たしくなるのもわかる。
「 いや、俺も何がなんだか....」
「「 「 はい!順平くん!」」
愛らしい笑顔で両隣から箸に摘まれた玉子焼きが差し出される。
「 美味しいよ!食べて」
....同じ玉子焼きだよな。
「 ....俺の口は一つしか無いんだが」
二人の差し出す玉子焼きを同時にどう食べれ、と。
「 あ、そっか。真琴はミートボール」
「 あ、だね」
「 「 はい、あーん!」」
真琴はミートボールに変え、三琴は玉子焼きのまま、俺の口に向かい、同時に箸を差し出した。
いや、そういう意味じゃない。
「 同時には食べれないんだが」
二人がきょとん、と俺を見上げる。
「 あ、そっか、じゃ、三琴の次は僕ね!」
無理やり、口に玉子焼きの後、ミートボールを入れられた。
玉子焼きとミートボールが混じった微妙な味...それぞれ別々に食ったら美味いんだろうけど....。
どちらにせよ、口の中が苦しい。
もぐもぐ、ごくっ。
ようやく、自分の弁当に箸を伸ばそうとしたが....。
不意に正面の圭が親の仇とばかりな表情で、自分の弁当の中身に箸をぶっ刺している光景に視線を奪われた。
「 け、圭?」
「 ほら、順平!あーん!」
普段は穏やかな笑顔の圭は何処へやら、怒り任せに箸の先には玉子焼きとミートボール。
「 順平!」
「 あ」
口をこじ開けられ、再び、味の違う、玉子焼きとミートボールが口に放り込まれた。
「 美味しい!?順平」
「 もがもが....」
どうしたんだ、圭....と言いたかったが、口いっぱいの玉子焼きとミートボールのせいで言えなかった。
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