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ラブ・コール 14

 想の手に額を押しつけて、感謝の気持ちと共に許しを請いたくなった。  想の人生に、俺は今から踏み入る。 「もう元には戻れないんだぞ。本当にいいのか」    そんな俺に想が「もう覚悟は決まっている」と優しく教えてくれる。 「僕たち、もう……このまま、ひとつになろう」  想がふっと微笑んで、自らベッドに仰向けになった。  ベッドに沈み、無防備な表情で俺を見上げる様子に、激しく欲情した。 「まっ、待ってろ」    俺も急いで背広を脱いでネクタイを緩め、ベッドに這い上がった。    想は、こくんと頷いて、静かに目を閉じた。  長い睫毛の陰影が綺麗だった。  俺はそっと想のネクタイを抜き取って、シャツのボタンを外した。  想が身動ぐ度に、二人の重みを受け止めたベッドが軽く軋む。 「あっ……」  先走る指先が震えて、上手くボタンを外せない。 「大丈夫だよ。僕は消えたりしないから」  想が俺の震える手を優しく包んでくれる。  いつの間に、大人になった想。  こんな一言にも、心の成長を感じて感極まる。  全てのボタンを外し、想の素肌を露わにした。  膨らみのない薄い上半身に顔を寄せて、微かに震える胸先にキスをした。 「……ふっ、……んっ」  もう指は使わない。  最初はキス、その次は唇で小さな尖りを挟んだ。  キュッと芯が出来る。  そのまま引っ張りあげると、みるみる硬くなっていく。 「あ……いや」 「なんだか……少しふっくらしてきたか」 「言わないで……」  想が目元を染める。  羞恥に染まり出した身体は、湯上がりのように上気して綺麗だった。  清楚で清潔な想が淫らに揺れる。  このギャップがすごかった。 「ヤバイ……」  細い首筋を起点に丁寧に肌を辿り、胸元や腹、臍の周りも愛撫した。  そのままウエストのベルトに手をかけた。 「あっ」 「こっちもいい?」 「……シャワーを……」 「あとで一緒に風呂に入ろう」 「で、でも……」 「想……もう苦しそうだ」  スラックスの前を寛げて一気に引き下げると、想のボクサーブリーフが見えた。前の部分が明らかに膨らんでいて嬉しかったし、少し湿っていたのも確認でき舞い上がる気分だった。   「もう……感じてくれていたのか」 「……恥ずかしい」 「これから、もっと恥ずかしいことをするのに?」 「……くすっ、確かにそうだね」  少し落ち着きを取り戻した想が笑えば、俺も笑う。  想の柔らかい曲線を描く頬を両手で包んで、優しくキスをする。  瞼、額、頬……唇。 「足、もっと開いて」 「う……うん」   普段の想だったら絶対に見せない姿。  想の足の間に入り込んで、グイッと押し開いていく。 「あ……っ、こんな格好……」    想が足を閉じたそうにしているが、今は駄目だ。  俺に全てを曝け出した姿勢に動揺し、想が両手で顔を覆ってしまった。  そのまま想のブリーフを下ろすと、信じられない程綺麗なカタチの性器が現れた。 「綺麗だな、ここも」    愛しさが募り、そこに迷わずキスを落とした。 「あ……っ」  想のここに触れられる日が来るなんて……  俺と同じ器官だが、愛おしさしか降ってこなかった。  手の平と唇を使い丁寧に愛撫してやる。 「……あっ……ああっつ」  想は腰をピクピクと跳ねさせて、控えめに悶えてくれた。  可愛いな。 「ここ、いい?」 「ん……」  同じ男だから分かるんだ。どこをどうしたら、気持ち良くなるか。  想の快楽の根っこを掴まえたくて、丁寧に角度を変えて愛撫を続けた。  先端を吸い上げと想が胸を大きく喘がせ、透明の雫が先端からポタポタと垂れてきた。 「すごいな、想……」 「んっ……あっ、あっ……」  全て口に含んで吸い上げると、想の下肢がブルブル震え硬直した。  更に追い打ちをかけるうようにキツく吸い上げると、胸を大きく上下させて、一気に精を放った。  上手に全て吐き出せるように、手で上下に扱いて手助けしをしてやった。 「はぁ、はぁ……」 「よしよし、よく出来たな」 「……しゅーん」  上擦った甘い声……俺を抱き寄せて包み込む細い腕。 「想、どうした?」 「駿も苦しそうだ……この先はどうしたらいい? どうしたら僕たち一つになれる? 僕……駿を全部受け入れたいよ」  想が俺を受け入れる方になってくれるのだと、改めて感激する。   「想は下調べしたのか」 「……ゴメン、怖くて出来なかった。駿とだからしてみたいんだ。他の人とでは想像出来なくて……」  はぁ……しんどい。  はぁ、可愛い。 想らしい真面目な考えに、俺の下半身がムクリと俄然元気になる。 「……駿は……ずるいな」 「え?」 「僕だけ……裸なんて」 「あぁ、俺も脱ぐよ」 「うん!」    緩めたネクタイを、想に引かれる。 「お、おい、想? 案外、余裕だな」 「駿にも気持ち良くなってもらいたいから」  想がスラックスの上から、俺の膨らみを撫でた。 「駿のも……してみたい」  その時、ハッとした。  俺の今日のパンツ、昭和のじいさんみたいだった! 「きょ、今日はいいから……想を慣らすことが先だ」  想の両肩に勢いよく手をかけ枕に押しつけ、再び覆い被さった。  俺はズボンを下着ごと素早く降ろして、闇に葬った。  想の内股に手を這わし、その奥の蕾を優しく撫でると、想が激しく狼狽えた。 「あ……っ……そんな場所……」 「ここを使うんだよ。俺のも受け入れられるように……じっくり指で慣らしていくんだ」    

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