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#1 おはようのキス
さらさらの黒髪、日焼けなんてしたことないような白い肌、閉じられた瞼を縁取る長い睫毛。
薄く開いた唇から漏れる、すうすうと健やかな寝息すらも愛おしい。
何度か頭を撫でてみて、起きる様子がないのを確かめてからぎゅうっと抱きしめてみた。
(あったかい……可愛い、幸せ……)
諒 のぬくもりと匂いを堪能していたら、「あっつ……離れてよ、慎太郎……」と寝起きのやや不機嫌な声がした。
「おはよー、諒」
「おはよ。……ね、聞いてるの? 暑いし重いからどいてって」
「えーっ……」
離れがたい俺は、諒を抱きしめていた腕をしぶしぶ緩めながらもこう提案してみた。
「おはようのキスをしてもいい?」
諒は無言でゆっくりと瞬きをしてから、照れるでもなくいつもの涼しげな表情で「いいよ」と言った。
「うぇ!? いい、の!?」
「何を驚いてんの? ……だって俺たち、付き合ってるんでしょ?」
目を閉じて少し顎を上げ、「ん」とキス待ちをする諒が可愛すぎて、俺は別の欲望を抑え込んでからおはようのキスに臨まなければならなかった。
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慎太郎×諒
【甘えた大型ワンコ攻め】×【素直クールな大学生受け】
大学の同級生を想定して書きました。
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