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#5 浸漬熱

「遊佐さん!」  また来たのかお前、というげんなりした冷たい視線を向けても、目の前の男は怯まない。 「お前、暇なのか何なのか知らないが毎日押しかけてくるな。商売の邪魔」 「ちゃんと売上に貢献してるじゃないっすかー」  金の髪色に負けない煌めく笑顔。その造作は、さすがモデル・俳優という職業に就いているだけあって人目を惹く。 「深尾」 「恭一っす、下の名前。恭一って呼んでくださいよ」 「呼ばねえ。そんな義理はない」  ム、とわざとらしく唇を尖らせてから不意に、真剣な表情で俺を見据える。 「俺、もう決めてますから。遊佐さんのこと落としてみせるって」  どこからその自信が湧いてくるんだか。  そう思いつつも、こいつの言葉がじわりじわりと俺の心を浸していくような気がしていた。 ーーーーーーーーーー 深尾(ふかお)恭一(きょういち) × 遊佐(ゆさ)直巳(なおみ) 【一途な大型ワンコ攻め】 × 【ひねくれツンデレ年上受け】 若手のモデル・俳優×喫茶店オーナー 年下攻め。

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